2025.10
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国家データ基盤の整備が大きく前進
国家データ局(NDA)の発表によれば、直近1年間で、中国の国家データ基盤整備は大きく前進し、データ要素の価値を最大限に引き出すことを目的とした新型インフラ体系が徐々に形成されつつある。
現在、全国8大国家枢軸ノードにおいて、合計62万PFLOPSのインテリジェント演算力が整備され、全国の約80%を占める。また、北京や上海など18都市において「信頼できるデータスペース」など六つの技術ルートによる先行試験が実施され、全国的な連携を図る三層構造(全域ノード、地域ノード、都市ノード)も構築中。既に16の省・自治区・直轄市をカバーする基盤が形成され、年末までに都市ノードは50か所に拡大予定。
NDAは2024年末に国家発展改革委員会及び工業・情報化部と共同で「国家データ基盤建設ガイドライン」を発表し、国家データ基盤の概念を明確化。「三段階推進」戦略を打ち出し、段階的な整備方針を示した。それによると、国家データ基盤とは、データの収集、集約、転送、加工、流通、利用、運営、セキュリティという八つの機能が備わっている新型インフラを指す。
三段階に分かれる推進戦略では、1)2024年から2026年にかけて、重要な業界分野と典型的な応用シーンを中心に、データ基盤の技術試験を展開し、一部の地方、業界、分野の先行試験を経て、ソリューションの供給を豊かにする。2)2027年から2028年には、データの大規模流通、相互接続を支えるインフラを構築し、地域、システム、部門、業務にまたがる大規模データの信頼できる流通利用構造を形成し、全国の大・中型都市カバーを概ね実現する。3)2029年までに、国家データ基盤のフレームワークを概ね完成し、大規模流通が可能で、かつ利用効率が高く、信頼のできるデータ公共サービス体系を構築する。