2025.09
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DSIT、通信事業者のレジリエンス確保に関するガイダンス更新

科学・イノベーション・技術省(DSIT)は2025年8月22日、通信サービスが引き続きレジリエンス(回復力)を維持できるよう、通信事業者向けのガイダンスを更新した。
「英国政府レジリエンス行動計画(UK Government Resilience Action Plan)」推進の一環となる。通信は英国の「重要国家インフラ(CNI)」の一部であり、緊急サービスと公共の安全、事業運営と経済、日常生活とデジタルサービスを支えている。
主な内容は以下のとおり。
1)通信事業者は、停電時でも少なくとも1時間、固定電話ユーザに無料のバックアップオプションを提供して緊急アクセス(999/112)を維持する。
2)通信事業者は、リスクを特定、軽減、報告し、バックアップを維持する。特に2027年1月までの公衆交換電話網(PSTN)のアナログからデジタルへの切り替え中に変更があれば報告する。
3)通信庁(Ofcom)は規制を行い、レジリエンスを監視し、脆弱なユーザをサポートし、必要に応じて罰則を科す。
4)特にデジタルアップグレード中は、脆弱なユーザに対して追加の保護とサポートを実施する。
5)サービスが中断された場合、ユーザが準備を整えるため、バックアップ電源ユニット、緊急SMS、999 BSL(手話による緊急通報サービス)、オフライン・ナビゲーションなどを提供する。
6)苦情はまず通信事業者に送られ、8週間(2026年4月から6週間)経っても解決されない場合はADRスキームに送る。基準が満たされない場合は補償が受けられる場合がある。
人々の活動がオンラインに移行し、デジタルサービスが進化し続けるにつれて、通信ネットワークのレジリエンスはますます重要になっており、政府は通信事業者と協力し、緊急時を含め、ネットワークの安全性、レジリエンス、アクセス性を確保するとしている。