2025.09
AST、Sバンドへのアクセスを世界で確保、2026年までに最大60基の衛星打ち上げ計画

2025年8月6日、楽天やAT&T、Verizon等からの出資を受けるAST SpaceMobileは、1980-2010 MHz及び2170-2200 MHzの周波数帯におけるモバイル衛星サービス(MSS)周波数に関する特定のSバンド国際電気通信連合(ITU)優先権を保有する事業体を取得する契約を締結したことを発表した。
これら周波数帯域の優先権は、各国レベルの規制当局の承認を条件に、ASTがSバンドを使って世界中でサービスを提供するための道筋を提供する。これは、同社のコアとなるグローバル3GPPセルラー周波数戦略を補完するものとなる。ASTは、米国とカナダでLバンド周波数戦略も計画している。
今回の取引の総対価は6,450万ドルとなり、その一部は業績連動型マイルストーンの達成に依存する。本取引は2025年後半に完了する見込み。
また、ASTは、8月11日の四半期決算報告で、2026年までに45基から60基の衛星を軌道に展開する計画を明らかにした。そのための資金は既に確保済みで、これにより、米国、欧州、日本を含む戦略的市場、そして、米国政府向けの継続的なサービスを提供する。
同社は、2025年と2026年を通じて、平均して1-2か月ごとに軌道への打ち上げを計画しており、AST創業者兼会長兼CEOアベル・アベラン氏によると、現在軌道上には、商業用と政府用両方のアプリケーション向けに、5基の完全稼働衛星と1基のテスト衛星の合計6基の衛星がある。同社は、8基のBlock 2 BlueBird衛星向けフェーズドアレイ用のマイクロンの組み立てを完了しており、2026年初頭までに40基分のマイクロンの組み立てを完了する計画で、ボイス、データ、ビデオの宇宙ベースのセルラーブロードバンドサービスをサポートする予定。
アベラン氏によると、このL/Sバンド周波数帯域アクセスに関する取引でASTは世界規模でプレミアム周波数帯域にアクセスできる道筋を確保しており、世界中で1セル当たり最大120Mbpsのピークデータレートをサポートできるようになるという。