2025.05
エヴリ、配達員を補助する自律型ロボット配達犬の利用実験を計画
昨今は、小包を配達する自動運搬車の存在は珍しいものではなくなった。しかし、英国最大の小包配送会社エヴリ(Evri:旧ヘルメスUK)が、テクノロジー系スタートアップ企業RIVRと協力して導入するのは、業界初となる自律型ロボット配達犬(autonomous robot delivery dog/自律走行型車輪付き脚型ロボット)である。2025年夏にバーンズリーで試験運用が予定されている。
この4足歩行のロボット犬は、AIによるナビゲーション、障害物検知、機敏性などの機能が搭載された高度な自動化により、宅配業者のバンに同乗して家々を回り、このバンから小包を受け取って、顧客の家の玄関まで直接運ぶように設計されており、配達員と協力して小包を配達する。
エヴリとRIVERの提携によるこの実証実験では、ロボット犬が配達員とどのように連携し、業務の中でも特に重労働となる部分の効率向上を支援できるかについて知見を得ることを目指している。
RIVERは、この協力により、現代の物流における重大な課題である「ラスト100ヤードのボトルネック」に対処するとしている。
現在、配達ドライバーは、バンから顧客の玄関までの短距離を移動することに多くの時間を費やしており、近隣の複数の配送拠点を管理することも珍しくない。RIVRの自律型ロボットコンパニオンが、これらの最終段階を担うことでこのプロセスが効率化されれば、ドライバーはより複雑な作業に集中でき、ラスト100ヤードのボトルネックに対する拡張可能なソリューションを実現できる。
RIVRは、2024年にチューリッヒ工科大学のロボット工学専門家によって設立され、AI駆動型ロボット工学の最前線にあり、ジェフ・ベゾスやHSGなどの投資家から支援を受けている。
なお、エヴリは、ロボット犬の試験は、同社が荷物配達の未来に向けて実施しているいくつかのロボット試験のうちの一つに過ぎず、バーンズリーでは、間もなく、地元の宅配業者の協力を得て、Delivers AI社の小型軽量EVロボットの配達実験も行う予定だという。