[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2025.05

  • アメリカ
  • 次世代ICT
  • 注目のICTトピック
米国のロボタクシー市場、独走ウェイモを追うテスラとズークス
2023年に発生した人身事故を受けて自動車大手ゼネラルモーターズが自動運転部門のクルーズを閉鎖して以来、米国のロボタクシー(自動運転タクシー)市場では、アルファベット傘下のウェイモが独走状態にある。

ウェイモはグーグルの社内プロジェクトとして2009年に発足した後、2016年に独立子会社としてスピンアウトした。2025年4月現在、ロサンゼルス、サンフランシスコ、フェニックス、オースティンの4都市で無人ロボタクシー・サービス「ウェイモ・ワン」を展開しており、2025年にはアトランタ、2026年にはマイアミとワシントンDCに進出予定である。週間利用件数は20万件超で、米経済誌フォーブスの試算によれば2024年度収益は約1億ドル(約150億円)に達した。

これに対し、市場第2位の座を争っているのが、イーロン・マスク氏が率いるテスラとアマゾン傘下のズークスだが、現時点ではズークスが一歩先んじている。

テスラは2019年にロボタクシー構想を披露し、2024年にハンドルやペダルのないロボタクシー車両「サイバーキャブ」を発表。2025年1月には、2026年の全米展開を視野に入れ、2025年6月にオースティンでサービスインする計画を明らかにした。ただし、事業規模やビジネスモデルは不明で、大規模走行試験の実績もないことから、一部の専門家は同社の示した計画に懐疑的な見方をしている。

一方、アマゾンのデバイス&デジタルサービス部門に属する2014年設立のズークスは、走行試験の実績を着実に積み重ねている。2025年4月現在、サンフランシスコ、ラスベガス、シアトル、オースティン、マイアミ、ロサンゼルスの5都市で走行試験を実施しており、2025年内のラスベガスでの商用サービス開始を目標に掲げる。

なお、米国以外でロボタクシーが商用化されているのは中国のみだが、日本でもその兆しが見えてきた。例えば、日産自動車は2025年10月から2026年にかけて横浜市内で大規模走行試験を実施し、2027年に商用サービスを開始する計画。また、米国第1位のウェイモは同社初の海外展開先として日本を選んだ。日本のタクシー最大手である日本交通とタクシー配車大手GOと提携し、2025年4月中旬より東京都心7区(港区、新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、品川区、江東区)でAIシステム学習用のデータ収集を開始。左側通行や高人口密度環境への適応等、課題の洗い出しをして、2025年初頭の走行試験実施を目指す。