2025.03
- インドネシア
- ブロードバンド・ICT基盤整備
- 国別・地域別トピック
新政府系ファンド、投資省と通信ネットワーク拡大と増強のため協力強化
インドネシアでは通信デジタル省が投資省とのシナジー強化に積極的なアプローチを見せている。政府は2025年2月24日に戦略的な投資に注力する政府系ファンドDaya Anagata Nusantara(Danantara ダナンタラ)(1)を発足させており、投資省はダナンタラによるインフラ整備と5G利活用のための関与を望んでいる。
経済成長の加速のため、通信デジタル省は、接続性を高め、DXを進展させる必要があると考えている。接続性の向上については、省は教育、保健、行政分野のインターネット接続の向上に力を入れる。現状、居住域の97%は何らかの接続が可能であるものの、実際は全国で86%の学校はブロードバンド接続をしておらず、38%の村の機関は接続自体ができていない。
接続性の向上について、通信デジタル省が現在検討を進めていることが3点ある。まず、①5G網の整備について、マレーシア政府が実施したような1社が整備したネットワークを複数事業者が利用する方式である。次は、②総電網を構築しているPLN(国営電力会社)の設備を借りて、試算では67%のコスト削減が可能な最低限の速度のネットワークを構築する方法である。そして、③5G網の構築にあたり、国際的には利用の少ない2.6GHzを今年中に事業者に付与する予定であり、2035年には3.5GHzを移動体通信中心に利用する可能性が高い。スムースな周波数コーディネーションや移行等にダナンタラの投資が受けられないかも検討している。
(1)国営企業の配当金や資産を原資として投資を行う。この国営企業には、政府が黄金株を持つ最大電気通信事業者のテルコムも含まれている。