2025.03
中国、LEOコンステレーション構築において進展
「千帆星座(コンステレーション)」と呼ばれる中国版スターリンクの初回18基の打ち上げが2024年8月6日に実施されたのに続き、2025年3月12日に行われた第5回目の打上げにより、同コストレーションの軌道上衛星数は90基に達した。
「千帆星座」の構築計画は2023年から開始し、1期目は648基の衛星を配備し、地域ネットワークを構築する。2期目は1,296基の衛星を配備し、地球全体のネットワークカバレッジを実現する。2030までに3期目の完成により、1万5,000基以上の衛星を配備し、世界中のユーザに向け、低遅延・大容量・低コストの衛星インターネットサービスを提供するとしている。
「千帆星座」を手掛けるのは、上海市国有資産監督管理委員会設置の投資会社により2018年3月に設立された上海垣信衛星科技有限公司で、登録資本金は約21億元である。2024年初めに中国の衛星企業による単一ラウンドでの最大規模となる、67億元に及ぶAラウンド融資を完了した。
「千帆星座」のほか、中国に1万基を超える衛星から構成される低軌道(LEO)コンステレーション計画は、国有企業の中国衛星網絡集団(中国星網)による「GW星座」、及び民間企業の藍箭科技傘下の鴻擎科技の「Honghu-3星座」もある。このうち、「GW星座」は2023年4月に実験衛星の打上げに続いて、2024年12月16日には、10基の衛星が海南省の文昌宇宙発射場から打ち上げられ、成功した。これらの衛星はKaバンドを使用し、主にブロードバンド・インターネット・サービスを提供する。今後、「GW星座」は、既存の国有低軌道衛星コンステレーションである320基規模の「鴻雁星座」や156基規模の「虹雲星座」なども統合するとしており、2035年に完成予定である。