フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、1月7日、政治的優先課題の実現に向けた横断的イニシアチブや水平的政策の連携を確保するため、14のプロジェクトグループを欧州委員会内に設置した。各プロジェクトグループは、それぞれ独自の権限、組織構成、活動期間及び運営方式を有する。設置された14のプロジェクトグループの構成は、以下のとおり。
①クリーン・インダストリアル・ディール
②人工知能(AI)
③対外行動
④技能・雇用・社会的権利
⑤経済安全保障
⑥防衛同盟
⑦欧州貯蓄投資連合
⑧備えの連合
⑨欧州域内安全保障
⑩水レジリエンス
⑪アフォーダブル・ハウジング
⑫スタートアップとスケールアップ
⑬欧州民主主義シールド
⑭農業と食糧ビジョンとなっている。
このうちAIプロジェクトグループは、産業界、公共サービス及び社会全体のAI導入に向けて、研究、実証、イノベーションから産業プロセスや公共サービスへの応用まであらゆる段階を含む統合的アプローチの開発を指揮し、生産性向上、成長及び競争力へのAIの貢献を最大化する。特に、応用AI戦略の準備を統括するとともに、文化・創造産業向けのAI戦略、欧州AI研究評議会、エネルギー分野におけるデジタル化とAIの戦略的ロードマップ、民事・刑事司法におけるAI活用を含むデジタル技術の活用戦略等の個別政策に特化した行動も統括する。また、プロジェクトグループは、AIのイノベーションと普及に関する目標の進歩状況を定期的に評価し、必要な政策調整に係る指針を提示する。
AIプロジェクトグループの議長には、技術主権・安全保障・民主主義担当のヘンナ・ヴィルクネン執行副委員長が就任する。AIを含むプロジェクトグループの活動期間は一年間とされているが、委員長の決定に基づき活動期間を延長することも可能である。