国家市場競争委員会(CNMC)は11月28日、2023年の次世代ブロードバンド・ネットワークの普及状況に関する調査結果を公表し、地方へのFTTHの普及が拡大したことを報告した
[1]。報告によれば、2023年末現在のFTTH加入者数は1,480万回線(前年比8.7%増)であるが、2023年に新規敷設されたFTTH回線のうち、約半数は人口10万人以下の基礎自治体(municipios)において敷設されたほか、全国約8,000の基礎自治体のうちFTTH接続サービスの利用が可能となった基礎自治体数は前年の5,991自治体より10.9%増の6,645自治体となった。
また、固定ブロードバンド回線に占めるFTTHのシェアは全国平均86.1%であるが、人口5,000人から1万人の地域(87.0%)、1万人から5万人の地域(87.2%)、5万人から10万人の地域(87.7%)おいて全国平均を超え、地方におけるFTTHの比重が高くなっていることが報告されている。地方のFTTHサービス市場における主要事業者テレフォニカと競合通信事業者の競争も進展し、新規FTTH回線の72%をテレフォニカ以外の競合事業者が占め、また人口5,000人以下の基礎自治体のような条件不利地域においても競合事業者のFTTH回線のシェアが4%増加したことが報告された。
図表 次世代ブロードバンドに占めるFTTHシェア
地域規模 |
FTTHシェア(%) |
事業者別FTTHシェア(%) |
テレフォニカ |
競合事業者(注) |
2022年末 |
2023年末 |
2022年末 |
2023年末 |
マドリッド |
91.6 |
39.8 |
39.3 |
58.0 |
59.1 |
バルセロナ |
91.9 |
38.9 |
39.6 |
58.6 |
58.8 |
50万~100万人 |
83.1 |
27.4 |
27.3 |
70.3 |
71.0 |
10万~50万人 |
83.9 |
29.1 |
29.5 |
67.6 |
68.0 |
5万~10万人 |
87.7 |
31.5 |
32.2 |
63.6 |
63.9 |
1万~5万人 |
87.2 |
28.0 |
29.1 |
63.3 |
64.5 |
5,000~1万人 |
87.0 |
29.4 |
30.7 |
57.5 |
59.6 |
1,000~5,000人 |
84.1 |
29.1 |
30.3 |
51.3 |
55.3 |
1,000以下 |
71.2 |
31.0 |
33.7 |
30.4 |
37.6 |
全国平均 |
86.1 |
30.5 |
31.2 |
62.5 |
63.5 |
(注)HFCを含む
出所:国家市場競争委員会(CNMC)