2024.12
スイス・ポスト、郵便局ネットワーク近代化に1億スイスフランを投資
スイス・ポストは、郵便局ネットワークの近代化計画を発表し、1億スイスフランの投資を行うことを明らかにした。併せて、約170の郵便局について運営委託先を募集することも発表した。
同社によると、デジタルサービスの普及と人口動態の変化により、窓口での取引形態が大きく変化しているという。
「支払い取引の70%が窓口以外で行われるようになり(68%減)、従来型の窓口取引は半減した(49%減)。また、窓口での郵便物の差出数も過去5年間で39%減少しており、この傾向は今後も継続すると予測される」と同社は説明した。
この状況に対応するため、スイス・ポストは約170局の長期運営委託先を募集しており、2028年末までにすべての委託先を確保することを目指している。「最終的には、直営郵便局600局と委託郵便局1,400局による郵便局ネットワークの構築を目標としている」と同社は述べた。
ロベルト・チリッロCEOは「取引量の減少により、2,000局すべてを直営で運営することは困難になっている。全国的なサービスを維持するため、当社は数年前から段階的に提携先への運営委託を進めてきた。これは、ユニバーサルサービス義務を果たしつつ、郵便局の営業時間を拡大するための唯一の方策だ」と語った。
また同社は、今後4年間で1億スイスフランを超える投資を行い、施設の改修や顧客サービスの現代化を進める計画だ。すでに、従来の窓口サービスを補完する最新のビデオ相談システムを導入し、待ち時間短縮に向けた実証実験を行っている。このシステムは直営・委託の両郵便局に導入され、スイス・ポストの職員が委託郵便局の顧客にも直接アドバイスできるようになる予定だ。