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2024.12

  • EU
  • スマート社会
欧州理事会による新欧州競争力政策の方向性
欧州理事会は、11月8日、新欧州競争力ディールを掲げたブダペスト宣言を採択した。同宣言は、EUの競争力強化に向けた政策の方向性を示すもので、イタリアのエンリコ・レッタ元首相の「EU単一市場の評価と提言」報告書(2024年4月17日)及びイタリア前首相のマリオ・ドラギ氏のEUの競争力向上に関する提言をまとめた報告書(2024年9月9日)を歓迎し、これらが提供する強固な基盤の上で競争力強化に取り組むとしている。宣言では、EU及び加盟国が取り組むべき12項目を列挙し、EU機関や加盟国に早急に取り組むよう求めた。12項目の主な内容は次のとおり。
 
  • 単一市場の完全な機能
  • 2026年までに貯蓄・投資同盟を実現
  • 産業の再生と脱炭素化を確実にし、欧州の世界的地位を維持
  • 企業にとって明確かつシンプルでスマートな規制枠組みの確保
  • 防衛技術と産業基盤の強化による防衛態勢の向上
  • EUを研究とイノベーションの世界的最前線に位置づけ
  • 2050年までのエネルギー主権と気候中立という2目標の達成
  • より循環型で資源効率の高い経済を構築
  • 産業全体のデジタルトランジションを加速し、プライバシーとセキュリティを確保したデータ経済の機会を捉え、革新的技術の開発を促進
  • 才能ある人材の活用、技能への投資により、EU全体で質の高い雇用を促進
  • 大胆かつ強固で、開放的かつ持続可能な貿易政策の追求
  • 競争力があり、持続可能で回復力のある農業セクタの実現
加えて、宣言では、競争力を高めるためには、多額の投資が必要になることを強調し、既存のツールである多年度財政枠組みや民間資金を動員するめの資本市場同盟、欧州投資銀行の関与に加え、新たなツールの構築を探求するとしている。