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2024.12

  • スペイン
  • ブロードバンド・ICT基盤整備
政府、データスペース構築プロジェクトを開始
スペイン政府は2024年10月23日、戦略産業のデータを企業間で共有する「データスペース」の構築プロジェクトの実施計画を公表した[1]。政府デジタル戦略「スペインデジタルアジェンダ2026」で規定された戦略産業において製品・技術、研究開発、インフラ運用などに従事する企業がそれぞれ保有するデータを、単一のデータプラットフォームに集積することなく、それぞれのデータ主権を維持しつつ相互にデータを利用する分散型データ共有システムを構築し、各産業の生産性・競争力・事業効率性の向上を図るというもの。
 
戦略産業では、特に医療、アグリフード、持続可能なモビリティ分野が重視されており、各産業のデータスペースにより、以下の実現を図るとしている。
 
  • 医療:診察データの医療機関間での共有、AIを活用した診断の改善・疾患の早期発見
  • アグリフード:IoTセンサー・航空写真のデータ、農業関連企業データ、気象予報企業のデータの統合による農作物の育成・収穫管理の効率化
  • 持続可能なモビリティ:公共交通機関と民間交通企業のデータ共有による、交通路の最適化、交通需給バランスの確保、収益性の拡大、市民サービス改善
 
計画では、全90プロジェクトに対し総額8,300万EURの助成金を供与し、事業者間のデータ共有技術・サービスの開発、技術標準化、データ共有ルール・リファレンスモデルの策定、運用体制の整備などを図る。(図表参照)
 
図表 産業別助成件数・金額
分野 助成プロジェクト数 金額
医療 21 32,944,886
アグリフード 21 14,997,757
持続可能なモビリティ 19 17,437,258
製造業 10 5,461,322
その他産業 9 6,398,637
社会・ケア経済 7 3,639,017
商業 3 2,166,547
合計 90 83,045,424
 
 
また、政府は11月21日に、データスペースの構築に関する2024年-2026年計画を公表した[2]。データスペースの対象を上記戦略産業以外にも拡大し、ユースケース開発、データスペース運用技術・サービスの開発、データスペースの推進・監督役を果たすデモンストレータの設置などを図る。総額5億EURを投じ、1)戦略産業のユースケースの開発、2)観光分野のユースケースの開発、3)データスペース接続支援キット、4)データスペースの技術製品・サービスの開発、5)公共データへの需要管理、6)データスペースを推進するデモンストレータの設置、7)観光データススペースのプラットフォームの構築、8)スペイン語・公用語のデジタル化など言語分野のデータスペースの構築、9)スマート都市インフラ分野のデータスペースの構築、10)地域開発分野のデータスペースの構築、11)プロモーション・啓発・訓練の実施、12)レファレンスセンターの開設に関する資金支援・技術支援を実施する。