2024.11
テレコムからAIカンパニーに看板を掛けかえる大手通信キャリア
韓国ICT業界はトレンドがはっきりしている。5年前は5G一色だったが今や5Gの文字は全くと言ってよいほど見当たらない。現在のトレンドはAI一色。特に、大手通信キャリア3社はAIカンパニーとして生まれ変わると相次ぎ宣言。SKテレコムがグローバルAIカンパニー、KTはAICT Company、LG U+はGrowth Leading AX Companyへの転身を図るスローガンを打ち上げた。
AIビジネス強化にいち早く取り組んできたSKテレコムは、2023年9月に発表した「AIピラミッド戦略」で、AIインフラ/AIX/AIサービスの三領域を中心に産業と生活全領域の革新を図る。グローバルAIカンパニーとなるべく、AIソリューション輸出やグローバル企業とのAI同盟構築にも積極的に乗り出している。AI関連投資割合を過去5年間の12%から今後5年間(2024~2028年)で3倍の33%に拡大し、2028年には売上25兆ウォン(2兆7,600億円)以上を達成する計画。
キャリア各社は独自のLLMや生成AIを開発して各種サービスや社内業務への導入を進める。例えば法人向けサービスではAIコールセンターやAI画像診断、一般向けサービスではモバイルAIエージェント等の開発が重点的に進められている。
韓国の会計年度は1月始まりのため、大手企業では新年度に向けた役員人事や組織再編が11月末から発表される。キャリア3社は、2024年中はAI企業としての基盤固めに注力。2025年は3社とも実行力と収益強化を重視し、AI速度戦に最適な布陣を組むと見られている。