2024.10
最高裁、Xにサービス停止を命令
連邦最高裁のアレクサンドレ・デ・モラエス判事は8月30日、ブラジルでのX(旧ツイッター)のサービス停止を命じた。アプリストア運営事業者やISPはXをブロックしなければならず、VPN等を通じてXにアクセスしたユーザには1日当たり5万BRL(約125万円)の罰金が科される。
ブラジルでは2023年の三権広場襲撃事件以降、ソーシャルメディアの取り締まりが強化されている。連邦最高裁はその一環として、フェイクニュースやヘイトスピーチを拡散したと見られる数十のアカウントを削除するようXに命じたが、Xを保有するイーロン・マスク氏はこれを拒否してきた。今回の停止命令は、Xが同国での法定代理人を任命し、アカウント削除を含む全ての裁判所命令に従い、命令違反に対する罰金を支払うまで維持される。9月13日には、マスク氏が所有するXとスターリンクの銀行口座から罰金額に相当する1,820万BRLが差し押さえられた。
Xへのアクセス遮断は8月31日にはじまった。ブラジルにおけるXの月間アクティブユーザ数は約4,000万とも推定され、多くの市民への影響が予想される。独立記念日である9月7日には、最大都市サンパウロでモラエス判事の「検閲行為」を批判する大規模な抗議デモが行われた。