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2024.10

  • アメリカ
  • 事業者のM&A・国際展開
米国で関心高まる光ファイバ投資、VerizonはFrontierを総額200億ドル以上で買収へ
2024年9月5日、Verizon Communicationsは、Frontier Communicationsを総額200億ドル相当の現金取引で買収することに最終合意に達したと発表した。両社は、18か月後の取引完了を見込んでいる。

Verizonは、取引完了後3年目までに、規模の拡大と流通・ネットワーク統合の恩恵により、少なくとも5億ドルの実行コスト相乗効果を実現すると見込んでいる。

Verizonは、北東部/中部大西洋岸の9州とワシントンDCでFios光ファイバ回線加入740万を持つ一方、Frontierのフットプリントは北東部/中部大西洋岸以外にも、西部や中西部、南西部にも広がっており、25州で220万の光ファイバ加入を持っている。

今回の取引が認められると、Verizonの光ファイバネットワークは、31州とDCで約1,000万加入、敷設済み回線は約2,500万となり、その規模は全米で大幅に拡大し、既存及び新規顧客へのモビリティとブロードバンドサービスの提供が加速する。また、AIやIoTのようなデジタル革新のためのVerizonのインテリジェントエッジネットワークも拡大する。

Frontierは過去4年間で41億ドルを投資し、ファイバネットワークのアップグレードと拡張を行い、2021年10月に発表した、2026年末までにさらに280万か所の光ファイバを敷設する計画「ギガビットアメリカの構築」の下で事業を営んでおり、現在では収益の50%以上をファイバ製品から得ている。

Frontierは、2010年7月にVerizonと同社14州480万回線の資産を86億ドルで買収する取引を完了、2014年10月にはAT&Tがコネチカットで持つ固定電話、DSL、TV資産等を20億ドルで買収を完了、また、2016年4月にはVerizonがフロリダ、テキサス、カリフォルニアで持つTV、インターネット、固定電話事業を105億ドルで買収する取引を完了している。Frontierは、これら取引等を通じて事業規模を拡大、ルーラル地域をベースとする国内最大の通信事業者としての地位を固め、光ファイバネットワーク投資を進めていた。

しかし、Frontierは、投資に見合う収益を確保することに苦しみ、2020年4月には破産保護を申請、事業再建計画は2020年8月に破産裁判所で認められ、2021年1月にはFCCも同計画を承認した経緯がある、

米国では、他社も光ファイバへの投資を進めており、AT&Tは、2022年3月に同社銅線フットプリントを2025年までに半減し、そこで節減できる分を光ファイバと5Gに再投資する計画を発表。また、2023年5月には、投資会社BlackRockと合弁事業「Gigapower」を立ち上げ、自社フットプリント以外の地域でオープンアクセスの光ファイバネットワークを構築し、競合他社にアクセスを提供するビジネスを展開、2024年9月9日には4社との提携を発表している。

また、T-Mobileは、2024年9月18日に開催したT-Mobile Capital Markets Dayで、2030年までに1,200~1,500万世帯以上に光ファイバでカバーする計画を明らかにした。この計画は、2024年初めに発表された「光ファイバパートナーシップ」を通じて行われており、その中には、バージニアとノースキャロライナ、サウスキャロライナで操業するLumosを買収する投資会社EQTとの合弁事業や、インディアナベースのMetronetを買収する投資会社KKRとの合弁事業も含まれる。LumosとMetronetは、オープンアクセスの光ファイバプロバイダとして運営している。