通信大手ボーダフォン・スペインは、2024年7月、同MasOrangeとテレフォニカのそれぞれと、光ファイバ事業者を共同設立することを矢継ぎ早に発表した
[1]。光通信分野において、競合通信事業者との協業によるビジネス効率化及びサービス品質の向上を進める各通信事業者の事業戦略に基づくもの。このうち、MasOrangeとは、同月24日に、両社で光ファイバーインフラを共有する新事業者を設立することで合意したことを発表。全国1,150万構内をカバーし、新規・既存ユーザを対象に、最新技術を実装した光ファイバネットワークをベースに高品質の通信サービスを提供する。新事業者の設立に際しては、第三者の投資機関に資本参加を求め、設立資本の40%に相当する20億EURを調達する予定である。
また、テレフォニカとは、7月31日に、光ファイバー事業者FiberCo.の合弁設立でMoUを締結したことを発表している。両社はFiberCo.の光ファイバネットワークを共有し、各企業・一般カスタマにFTTHサービスを提供する。加入者数は全国約140万、普及率40%が見込まれている。
上記の光ファイバー事業者の設立合意は、いずれも拘束力のない予備合意書(non-binding letter of intent)によるものであり、今後、ボーダフォン・スペインは、MasOrange、テレフォニカのそれぞれと新会社設立の正式合意書を締結する予定。事業運営には、規制機関の承認が必要であり、テレフォニカとの間で設立するFiberCo.については、2025年初めまでに規制機関の承認を得て、新会社の運営を開始する運びとしている。