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2024.08

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運輸省の「国家V2X配備計画」、2036年までに全国配備目指す
2024年8月16日、運輸省は、米国の道路から死亡事故や深刻な負傷者を減らすため、ビークルツーエブリシング(Vehicle-to-Everything:V2X)技術の全国配備計画を公表した。

この「コネクティビティで人命救助:V2X配備加速計画(Saving Lives with Connectivity: A Plan to Accelerate V2X Deployment)」(国家V2X配備計画)は、全米におけるV2X技術導入の指針となり、交通事故死者数をゼロにするための包括的アプローチを追求するという同省のコミットメントを支援するものとなる。

2023年10月にパブリックコメント向けに草案として発表されたこの計画は、車両や無線機器が相互に、また、路側インフラと通信することを可能にする技術を通じて、交通安全、モビリティ、効率性に焦点を当てている。

これらの技術は、プライバシーと消費者保護を維持しながら、より安全、安心、効率的な交通システムを可能にし、交通事故死の危機に対処するために2022年1月に開始された包括的アプローチである運輸省の国家道路安全戦略で採用された安全システムアプローチに貢献する。

ピート・ブタジャッジ運輸長官は、本計画は、官民のパートナーシップの協働により立案・推進されたもので、相互運用可能なV2X技術の全国的な普及を通じて、安全で効率的かつ持続可能な交通システムを実現するための重要な情報を関係者に提供するものと述べている。

本計画のスケジュールは2036年まで延長され、その時までに国道システム全体にV2Xを完全に配備し、主要都市圏では信号のある交差点の85%にV2X技術を導入、全国で安全な相互運用可能な5.895-5.925GHz帯の運用や、V2X対応車両20車種といった内容を目標としている。

また、短期的には、2028年までに国道システムの20%、主要都市圏の信号交差点の25%にV2X技術を導入することを目指し、5.895-5.925GHz帯を活用する補助金を10州で20件以上交付、FCCが同帯に関する第二次決定手続きを完了することや、2028年モデルから自動車メーカー2社が同帯に接続する車両を投入することなどが目標とされている

本計画は現在、全国交通安全委員会(National Transportation Safety Board:NTSB)が、同委員会の定めるV2X技術に関する10件の勧告を満たしているかどうかが審査されている。NTSBは、2022年に全国規模でのV2X技術配備計画を開発するよう運輸省に求めていた。

また、FCCジェシカ・ローゼンウォーセル委員長は、7月17日、5.9GHz帯でのセルラーV2X(C-V2X)技術の最終規則を定める命令草案を委員間で回覧を開始したことを明らかにしている。

V2Xに関しては、運輸省の連邦道路管理局(Federal Highway Administraton:FHWA)が6月20日、V2X通信の人命救助の可能性を最大限に推進することを目的に、三つの団体に約6,000万ドルの補助金を交付することを発表している。