2024.08
欧州委員会がDSA違反調査を終了した初の事例、TikTok Lite「タスクとリワードプログラム」のEU撤退を受け
欧州委員会は8月5日、TikTok Lite(注1)の「タスクとリワードプログラム」(注2)のEU全域からの恒久的な撤退を受けて、「デジタルサービス法(DSA)」違反調査を終了した。欧州委員会がDSAに基づく正式な違反調査手続きを終了したのは今回が初めてとなる。
TikTokは、欧州委員会に対して、EUから恒久的に「タスクとリワードプログラム」を撤退させること及びこの撤退を回避するような他のプログラムを立ち上げないことをコミットした。このコミットメントは法的拘束力を持ち、違反した場合は直ちにDSA違反となり、罰金が科される可能性がある。
欧州委員会は、「タスクとリワードプログラム」が依存・中毒などユーザのメンタルヘルスに悪影響を与えるリスクを有しているにも関わらず、TikTokがシステミックリスクに深刻な影響を与える機能の導入前に義務付けられている事前のリスク評価の報告書の提出を怠り、また、これらのリスクを軽減するための低減措置を採っていなかった疑いがあると指摘。2024年4月22日には、TikTokに対する正式な調査を開始し、TikTokはこれを受けて、EUにおける同プログラムの提供を自主的に停止していた。
なお、2024年2月19日に開始されたTikTokに対する未成年保護措置等に係る違反調査手続きは、現在も継続中となっている。
(注1)TikTok Liteは、TikTokから派生した動画視聴に特化した軽量版アプリ。
(注2)ビデオの視聴やコンテンツへのリンク等の所定のタスクを完了することでユーザがポイントを獲得できる機能、「ポイ活」機能とも