2024.08
グーグル、サードパーティークッキー廃止計画を撤回
グーグルは7月22日、自社ブラウザ「クローム」でのサードパーティークッキー廃止計画を撤回することを発表した。
サードパーティークッキーは複数のウェブサイトを横断して消費者の閲覧履歴を追跡できる仕組みで、消費者の関心や属性に応じたターゲティング型の広告配信に用いられてきたが、個人情報保護の観点から懸念の声があがっていた。このような状況を受け、グーグルは2020年、サードパーティークッキーを廃止する方針を発表するとともに、個人を特定できない形でターゲティング型広告を配信する「プライバシー・サンドボックス」と呼ばれる新たな仕組みを提案した。しかし、広告業界がこれに反発し、プライバシー・サンドボックスがデジタル広告市場の競争環境を損なう恐れがあるとして英国の競争市場庁(CMA)が調査を開始したことで、グーグルは計画の見直しを迫られることとなった。
同社は今後、サードパーティークッキーを維持しながら、消費者の選択肢を増やす最新の手法を提案する。例えば、消費者は既に設定でクッキーをブロックすることが可能だが、それに加え、クッキーのオン・オフを決定できるプロンプトを提示する。新しい方針については規制当局や広告業界と協議していく。
なお、「ファイヤーフォックス」やアップルの「サファリ」等、競合するブラウザは初期設定でサードパーティークッキーを無効化している。