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2024.08

  • EU
  • ブロードバンド・ICT基盤整備
「欧州デジタル化の10年間」進捗報告書第2版が公表
欧州委員会は7月2日、「欧州デジタル化の10年間進捗報告書」第2版を公表した。同報告書は、「欧州デジタルの10年政策プログラム(DDPP)」が2030年に向けて設定したデジタル目標(①デジタルインフラの改善、②企業のデジタルトランジション、③デジタルスキル及び④デジタル公共サービスの4分野の目標)の進捗状況をまとめたもの。今回の報告書では、加盟国が策定している「欧州デジタル化の10年間」戦略ロードマップを分析し、各国の施策、アクション及び資金についてもまとめている。

報告書によると、2023年時点で、欧州企業によるAI、クラウド及びビッグデータの利用率は、目標の75%を大きく下回っており、現在の傾向が続けば、2030年までにクラウドを利用する企業は64%、ビッグデータを利用する企業は50%、AIを利用する企業は17%に留まる見込み。デジタルスキル目標についても、80%という目標に対して、最低限の基本的なデジタルスキルを有するのはEU人口のうち55.6%としている。

光ファイバーネットワークの世帯到達率についても、100%という目標には程遠く、64%に留まる。また、高品質な5Gネットワークも目標の100%に対して50%に留まっており、性能も不十分なものとなっている。

こうした現状に対し、報告書では、加盟国の取組みだけでは目標の達成には不十分であり、特にデジタルスキル、デジタルインフラの改善(高品質の接続性及び半導体製造)及び企業のデジタルトランジション(企業によるAIとデータ分析の導入及びスタートアップ企業のエコシステム)の各分野への追加投資が必要だと主張している。また、加盟国においては、今回明らかにされたギャップに対処するための国別および分野別の推奨事項が挙げられており、これを受けた加盟国は2024年12月2日迄に自国のロードマップの見直しを求められている。