英国の通信庁(Ofcom)は2024年7月24日、成長とイノベーションを支援し、より多くのユーザーが周波数帯を利用できるようにするため、地方で周波数帯を共用することを可能にする、共用アクセス枠組みの改善を発表した(注1)。
2019年に開始された共用アクセス枠組みは、様々な周波数帯をカバーし、様々な用途に利用可能な異なる出力レベルと帯域幅を有する。例えば、過去数年間で、この枠組みにより、港湾のプライベート・ネットワークや農村地域の高速ブロードバンドを可能にし、国王の戴冠式の放送にも使用された。
Ofcomは2023年11月に枠組みの強化について協議し、2024年7月24日、以下の決定事項を発表した。
- 3.8-4.2GHzの周波数帯のユーザー間の離隔距離を縮小し、英国全域における周波数帯の利用可能性を向上させる。
- 3.8-4.2GHzの「低出力」製品の最大出力制限を3dB引き上げるなど、新たなユースケースをサポートするために共用ルールを緩和する。
- 新たな周波数帯の2320-2340MHzを枠組みに追加し、低出力での屋内利用を可能にする。
- 例外を要求するための申請ルートの簡素化など、ユーザーの申請手続きを改善する。
Ofcomは、2024年第4四半期までに、これらの変更の大半を実施することを目指している。また、枠組みの利用拡大を支援するため、Ofcomは7月24日に、以下の提案も行っている。
- 例外申請する必要なく、都市部(グレーター・ロンドンを除く)における1800MHz帯及び3.8-4.2GHz帯の中出力での運用の自由度を高める。
- 都市部における中出力での展開について、低出力の2倍のコストとする新たな価格を通じて、効率的な利用を促進する。
- 3.8-4.2GHz帯の低出力屋外基地局に接続するモバイル端末の端末登録要件を撤廃することで、新たなビジネスモデルを可能にする。
当該提案に関する公開諮問は2024年9月18日に終了し、その後できるだけ早く決定事項が公表される予定である。
(注1)
https://www.ofcom.org.uk/spectrum/frequencies/consultation-supporting-increased-use-of-shared-spectrum/