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2024.08

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新興メディア制作企業のSkydance、総額80億ドル超でParamount買収合意
2024年7月7日、Skydance MediaとParamount Globalは、SkydanceがParamount親会社National Amusements Inc.(NAI)を買収、その後SkydanceがParamount Globalと合併という2段階の取引を通じて総額80億ドル以上を投資することで、「新生Paramount」を設立する最終合意に達したことを発表した。
 
Skydanceは、Oracle共同創業者のラリー・エリソンCEOの息子デイビッド・エリソン氏が2010年に創業した新興のメディア制作企業で、この取引により、テレビ4大ネットワークの一角を占めるCBSや、ハリウッド5大映画スタジオのひとつParamount Pictures、ストリーミングサービスのParamount+といったブランドを手に入れる。
 
この取引は、Skydance Investor Group(Skydance IG)の資金力、深い経営経験、最先端技術に関する専門知識と、Paramountの象徴的なIP、充実した映画・テレビライブラリー、実証済みのヒットメーカーとしての能力、数百万人の視聴者にリーチするリニアとストリーミングプラットフォームを融合させるもの。
 
新生Paramountは、収益性の向上、クリエイターの安定性と独立性の促進、成長分野へのさらなる投資を可能とする体制を整えることで、アニメーション、ゲーム、映画、スポーツ、ニュース、テレビなど、複数のエンターテインメントプラットフォームにおいて、技術的な進歩に重点を置く世界クラスのメディア企業として安定し、強化されることが見込まれる。
 
今回の取引では、新生Paramountの企業価値は約280億ドルとなり、Skydance IGは新生ParamountのクラスA株式の100%、発行済みクラスB株式の69%(プロフォーマの発行済み株式の約70%)を所有することとなる。
 
Paramountは、本取引が完了しなかった場合の違約金としてSkydanceに4億ドルを支払うことでも合意している。
 
取引完了後、Skydance創業者兼CEOのデイビッド・エリソン氏が新生Paramount会長兼CEOに就任、同社長にはRedBird Sports & Mediaの会長でNBCUniversalの前CEOであるジェフ・シェル氏が就任する。
 
Skydanceは、映画をはじめ、テレビ、ゲーム、アニメ、スポーツ分野にも進出しており、ロサンゼルス、シリコンバレー、スペインのマドリード、カナダにスタジオを所有している。同社の映画事業は世界で合計80億ドル以上を売り上げ、その中には世界的ヒットとなりアカデミー賞も受賞した「Top Gun: Maverick」をはじめ、最近では「Mission: Impossible - Dead Reckoning」や「Transformers: Rise of the Beasts」も含まれる(すべてParamount Pictures配給)。また、Apple TV+では「The Family Plan」、Netflixでは「The Adam Project」「The Old Guard」、Amazon Prime Videoでは「The Tomorrow War」の配信が開始されている。テレビ事業でも、Netflix、Amazon Prime Video、Apple TV+等でさまざまな人気シリーズを制作、ゲーム事業では「Archangel」や「The Walking Dead: Saints & Sinners」といった人気フランチャイズ作品のゲームに加え、「Marvel 1943: Rise of Hydra」や、Lucas Gamesとの協力でStar Warsゲームの公開を控えている。スポーツ分野では、Skydanceとナショナルフットボールリーグ(NFL)の合弁会社Skydance Sportsが、スポーツ関連の台本付き/台本なしのプレミアムコンテンツ、ドキュメンタリー、イベントを開発している。
 
Paramount資産売却を巡っては、2023年末くらいからメディアでも取り上げられるようになり、2024年4月にはSkydanceとの買収協議入りや、5月にはSonyとApollo Globalが260億ドルで買収を提案、6月にはSkydanceとの買収協議終了といった動きが伝えられていた。