2024.07
北京市ハイレベル自動運転モデル区、エリア範囲が順調に拡大
北京市は、レベル4の自動運転車両の大規模運行をサポートする、世界初となるハイレベル自動運転モデル区の完成を目指している。2020年9月から整備開始した同モデル区は、2023年9月時点で、自動運転の専用通信網によるカバー範囲は60㎢に及んでおり、遅延時間は平均で10ms未満、ハンドオーバー成功率は99.999%に達し、最大通信速度は200Mbps以上で、かつ必要に応じての帯域制御も可能となる。
Robotaxiのほか、自動運転ミニバス、無人シャトルバス、無人配送車、無人清掃車、無人パトロールカー、自動運転貨物輸送トラック、無人小売販売車を含む8種類の自動運転車両をサポートするほか、信号制御、スマートパーキングなどの利用にも対応する。また、交通コントロールセンターにおいては、管理プラットフォームを通じてのエリア内の交通管理も可能となっている。
2024年5月に、北京市は自動運転車の試験走行エリアを北京南駅まで拡張すると発表し、併せて6月までに、利用シーンの最適化を図りながら、エリア範囲を600㎢に拡大するとした。具体的には、400以上の交差点と10kmに及ぶ高速道路の路側のインテリジェント化設備を設置し、インテリジェント都市専用ネットワークのフルカバーを実現する。更に年内には北京南駅、豊台駅、朝陽駅、清河駅、城市副中心駅の五つの鉄道駅と北京大興国際空港、北京首都国際空港も自動運転の試験走行エリアに含める。
北京市政府のような、明確な方針表明及び手厚い支援もあると、企業も進んで取り組むようになり、これまで、自動運転を手掛ける大手の百度(Baidu)のほか、新興企業らによる各種自動運転車両の走行台数は800台を超え、測定走行距離数は約3,000万kmに達した。北京市政府も収集したデータなどの情報をもとに多数の関連標準を策定し、年内に自動運転に特化した法規定の公布も見込まれている。