2024.05
連邦裁判所、ネット安全コミッショナーの告発により、Xに対してテロ行為を記録した動画コンテンツの削除を命令
オーストラリア連邦裁判所は4月23日、X(旧ツイッター)に対して、4月15日に発生した、アッシリア東方教会での聖職者殺害テロを記録した暴力的動画コンテンツについて、同社プラットフォーム上から削除するよう暫定命令を下した。
ネット安全(eSafety)コミッショナーは、事件発生後直ちに、「2021年オンライン安全法」の規定に基づき、当該コンテンツの削除をオンライン事業者各社に要請、グーグル、マイクロソフト、TikTok等のソーシャルメディアは、同コンテンツの削除並びに拡散防止措置を実施した。しかし、メタ及びXの2社は、要請に従わず、eSafetyは4月16日に両社に対して同コンテンツの削除通告を発していた。
これに対し、メタが通削除告に対して迅速に対応した一方、Xは同コンテンツへのアクセスをブロックしたものの、削除自体は行わなかったため、eSafetyは連邦裁判所に対してXを告発していた。
連邦裁判所の暫定命令により、Xは24時間以内に、指定されたURLに同コンテンツを削除しなければならないが、同コンテンツに関するコメントや議論は削除の対象とならないという。同裁判所は、今後数日間のうちに暫定命令の執行期限延長について決定するが、執行期限の決定の後、eSafetyがXに対して正式な削除命令及び民事罰を求める最終審理が行われる見込みである。