スペイン閣僚評議会(Consejo de Ministros)は5月、英国投資会社Zegonaによるボーダフォン・スペインの完全買収を承認した
[1]。これにより、国内3位の通信事業者であるボーダフォン・スペイン
[2]がZegonaの傘下となることが正式に決定した。
Zegonaは、2023年10月にボーダフォン・スペインの買収で親会社の英ボーダフォングループと合意し、その後、スペイン政府に買収後の事業戦略・財務計画を提出。これを受けて、スペイン政府は、5Gなど最新サービスの継続・拡張計画、ネットワークビジネスへの将来投資、財務能力の強化手法などを重点的に審査、最終的に買収後のボーダフォン・スペインのビジネス後退はないと判断し承認に至った。英ボーダフォングループとZegonaは2024年5月末までにボーダフォン・スペイン売却の最終手続きを完了する
[3]。買収額は50億EUR。
スペインでは、Zegonaによるボーダフォン・スペインの買収以外にも、通信事業者の新本構成の再編が進んでおり、2024年4月には、国内2位のオレンジ・スペインと同4位マスモビル(MASMOVIL)が事業統合し、新通信事業者Masorangeが誕生している
[4]。また、政府が戦略企業と位置付けているテレフォニカについても、2022年9月にサウジアラビアの通信大手STCグループが同社株式9.9%を取得したことに対抗して、2024年5月に政府が国営ファンドSEPIを通じて同株式10%を取得している
[5]。
[2] 2024年2月現在、ボーダフォン・スペインの加入者シェアは固定ブロードバンド16%、モバイル通信22%。(国家市場競争委員会(CNMC)資料)