2024.05
ラ・ポスト、農村地域で移動郵便局モデルをテスト中
ラ・ポストは、預金供託公庫(Dépôts et Consignations:CDC)傘下の地域銀行(Banque des Territoires)との共同出資により、新しい形の郵便事業を実験する。4月末から農村地域で移動郵便局バン5台を巡回させるもので、実施期間は1年間。
移動郵便局バンは、ジェール、オートマルヌ、オルヌ、クルーズ、ジュラの5県の40の自治体(合計住民数1万3,000人)で、火曜日から土曜日までの週5日運行され、一つの自治体につき、2~3時間停車してサービスを提供する。巡回経路は毎週同じ。
この移動郵便局バンでは、通常の郵便サービスに加え、行政手続き、携帯電話やインターネットに関するサービス、銀行サービスなども提供される他、最寄りの「フランス・サービス(地方の住民にできる限り近いところで公共サービスを提供するというフランスの政策)」にも案内するといったサポートも受けられる。
この移動郵便局プロジェクトは、すべての人々のニーズに適切に対処することを目的として政府が2023年6月に発表した、フランス農村地域計画(le plan France Ruralités)の一環である。
また、このプロジェクトは、「フランス・サービス」の前哨基地(Avant-Poste)プログラム(※郵便局やたばこ店等の物理的な店舗)の一部でもある。
フランス農村地域計画も「フランス・サービス」も、地域結束国家庁(ANCT)の介するプロジェクトで、ラ・ポスト、地域銀行、関係県が協同する。
ラ・ポストには、四つの公共サービスが課せられており、その一つである「地域開発」において、窓口ネットワークを通じ国土計画と開発を担うという使命が与えられている。この使命の目的は、国内のすべての人々に郵便サービスを提供することで、ラ・ポストは、この使命を遂行するため、法により、全国に少なくとも1万7,000の郵便取扱所(郵便局等)を設けることになっている。しかし、ラ・ポストの2023年度年次報告書によると、2023年12月末時点で、同社のネットワークは、1万3,954の自治体に1万6,978の郵便取扱所があるが、最低要件の1万7,000をわずかに下回っていた。