2024.05
海底ケーブルを津波早期警報システムに利用
英国の国立物理学研究所(NPL)はニュージーランドの計測標準研究所(MSL)と連携し、太平洋で史上初の光干渉計を用いた地震センシング実験を実施する。超高感度光学計測を行うことで、ニュージーランド沖に延びる海底ケーブルを地震と海流のセンサーアレイに転換する。既存の海底ケーブルを津波早期警報システムの検知器として使用する可能性を調査する。
当該技術は量子技術から派生したもので2021年にNPLが発表。既存の光ファイバインフラを利用し、海底から継続的なリアルタイムの環境データを収集する。NPLは大西洋の英国とカナダを結ぶ全長5,860kmの大陸間海底光ファイバリンクで実証済み。太平洋は地震活動が活発な海域であり理想的なテストベッドとなるとしている。
NPLとMSLは2024年後半、ニュージーランドとオーストラリアの間にあるタスマン海の海底で、全長3,876kmのサザンクロスNEXTケーブルの一部で本技術をテストする計画である。