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2024.03

  • ベトナム
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「世界の半導体製造地」を目指すベトナム、2024年より半導体国家戦略を実行 
米中摩擦と台湾有事への懸念から、半導体サプライチェーンの中心地が徐々に東南アジアへとシフトしつつある。これまではシンガポールやマレーシアが同地域におけるハブとして知られていたが、新星として注目を集めるのは、半導体産業を国家基幹産業に位置付けたベトナムである。 
 
ベトナム政府は2023年末に同国初となる「半導体国家戦略」を起草。ベトナムを2030年までに世界的な半導体製造地にするという目標の下、2024年より具体的な施策を開始する予定である。既存プロジェクトも含め、同国の半導体分野における主な施策の内容や目標は以下のように整理される。 

<エコシステム形成> 
*2023年10月に「半導体イノベーション・ネットワーク」を正式発足した。同ネットワークは半導体産業の主要プレイヤーで構成され、信頼できる半導体エコシステムの形成に取り組む。 
*2023年11月に国家イノベーションセンターを開設した。米半導体設計大手のシノプシス及びケイデンスと協力し、同センター内に半導体設計センターも開設した。 
*2025年末までにハノイ市、ホーチミン市、ダナン市にそれぞれ半導体設計研究センターを開設する。 

<人材育成> 
*2030年までに半導体設計エンジニアを5万人育成する。 
*ダナン市に半導体とAIに特化した研究・教育センターを設立する。 
*主要大学に半導体専攻学科を新設し、2024~2025年度から学生を募集する。 

<企業誘致・育成> 
*特定の基準を満たす国内外の半導体企業に税制優遇措置や資金援助措置を講じる。 
*国内半導体産業のための基金を創設する。 
*国営通信事業者4社が半導体研究開発で主導的な役割を果たす。 

なお、複数の国がベトナムに注目しているが、特に動きが顕著なのは米国である。バイデン大統領がベトナムを訪問した2023年9月には、両国の2国間関係をベトナム外交上最高位の「包括的戦略パートナーシップ」に格上げし、半導体サプライチェーンの強靭化に向けて協力関係を深めていく方針が発表された。具体的には、米半導体企業が人材育成や拠点設立を通してベトナム半導体産業の支援を図るとした。既にアムコー・テクノロジーやマーベル・テクノロジーがベトナムに生産・研究開発拠点を設けており、NVIDIAも拠点開発を検討しているところである。