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2024.03

  • スペイン
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スペイン政府、オレンジとマスモビルの事業統合を承認

スペイン政府は2024年3月、国内サービスシェア2位のオレンジスペインと同4位マスモビルの事業統合を承認した。この事業統合により、固定ブロードバンド730万加入、モバイルサービス3,000万加入、TVサービス220万加入を擁するスペイン国内最大の通信事業者が誕生する[1]。両事業者は、2022年7月に各50%を出資する合弁会社を設立することで合意。その後、欧州委員会が市場競争の阻害の可能性を指摘し、2023年4月より調査を実施していたが、2024年2月に欧州委員会が本事業統合を承認し、これを受けてスペイン政府による事業統合の承認に至った。
 
当初、欧州委員会は、競争事業者の減少や市場シェアの増加による新通信事業者の市場支配力の強化に対し懸念を示していたが、2023年12月に、ルーマニアを拠点に欧州で通信事業を展開するDigiコミュニケーション社の現地MVNO子会社Digiスペインが、事業統合後に余剰となるマスモビルの周波数帯域を買収する協定を締結したことを発表[2]。これによりDigiスペインは1800MHz帯(10MHz幅×2)、2100MHz帯(10MHz幅×2)、3500MHz帯(20MHz幅)をマスモビルから取得したほか、マスモビル及びオレンジとローミング協定も締結し、移動体通信市場への新規参入の条件を整えたため、欧州委員会は、市場競争が阻害される懸念の払しょくが見込まれると判断し、事業統合を認めた[3]
 
オレンジスペインによれば、2024年第1四半期末までに、事業統合に関するすべての手続きを完了する予定。事業統合後は、年間4億5,000万ユーロの相乗効果が期待できるとして、5G及び光ファイバー網に集中的に投資を進める意向を示している。