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2024.02

  • EU
  • ブロードバンド
欧州電気通信事業者協会が「デジタル通信の現状2024」報告書を公表
欧州電気通信事業者協会(ETNO)は、1月29日、「デジタル通信の現状2024」と題する報告書を公表した。報告書の主な内容は次のとおり。
 
*5G SA方式、Opern RAN及びエッジクラウド:稼働中の5G SA方式ネットワーク数は、欧州が10であるのに対し、米国は4、アジアは17。エッジクラウドの商用化に関しては、欧州は4件で、アジアの17件や北米の9件を大きく下回っていた。Open RANについて、欧州の実績は11件の試験及び実装となり北米の9件を上回ったが、アジアの19件には及ばなかった。
 
*ネットワークカバー率:5Gカバー率では、欧州の人口当たりカバー率は2022年の73%から80%へと改善したが、韓国と米国の98%、日本の94%、中国の89%に遅れを取っている。固定網についても、欧州のギガビット対応カバー率が2023年には79.5%に達したのに対し、韓国は97.0%、米国は89.6%、日本は81.4%となっている。一方で、欧州のFTTH人口カバー率(FTTBを除く)も、前年の55.6%から2023年には63.4%に増加したが、EU域内の4,000万人は2030年になっても固定ギガビット接続を利用できない状態のままの可能性があると予測されている。
 
*投資ギャップ:欧州における一人当たりの通信設備投資額は109.1ユーロで、韓国の113.5や米国の240.3よりも少なかった。他方で、欧州の絶対投資額は前年の563億ユーロから増加して591億ユーロに達し、そのうちの60~70%が移動及び固定ネットワークの展開に充てられた。電気通信事業者の収入に関しては、移動通信における顧客一人当たりの平均売上高(ARPU)で、欧州は15.0ユーロとなり、米国42.5ユーロ、韓国26.5ユーロ、日本25.9ユーロを下回った。固定ブロードバンドのARPUについて、欧州は22.8ユーロとなり、米国の58.6ユーロ、日本の24.4ユーロを下回った一方で、韓国の13.1ユーロのみ上回った。
 
*その他:真のテレコム単一市場の実現について、欧州市場は未だに細分化されたままであり、50万人以上の顧客を持つ大規模モバイル事業者グループの数が、米国は8、中国・日本は4、韓国は3であるのに対し、欧州は45となっている。