仏通信担当相Barrot氏は11月30日、政府職員は12月からフランスのスターアップが開発したメッセージング・アプリ「Olvid」を使用するとツイッターで発表した(注1)。フランスのメディアによると、Borne首相は、大臣、国務長官、内閣官房長官及び閣僚宛ての11月22日付けの通達により、サイバーセキュリティ上の理由から、フランスで開発されたOlvidアプリを12月8日をもって使用するように求める。
フランスの政府によると、Olvidは国家サイバーセキュリティ庁(Agence nationale de la securite des systemes d'information:ANSSI)に認定された唯一のインスタント・メッセージング・サービスであり、以下の全ての要件を満たしている(注2)。
*デジタル・アイデンティティの管理
*EU一般データ保護規則(RGPD)に準拠したデータ保護
*組織内外通信の保護
*シャドーITの対策
*域外法の対象となる外国のソリューションからの解放
*IT危機時の通信継続
*使いやすいツールの提供
Olvidは、メッセージのエンドツーエンドの符号化を提供するほか、ユーザー・ディレクトリやアカウント情報がクラウド及びサーバー上で保管されていないことが特徴。Olvidの代わりに、すべての公務員を視野に入れて2019年にデジタル省庁間総局(DINUM)から提供された「Tchap」アプリの利用も可能。
(注1)
https://x.com/jnbarrot/status/1729964589742219712?s=20
(注2)
https://catalogue.numerique.gouv.fr/solutions/olvid