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2023.08

  • ロシア
  • 金融
ロシア、デジタル通貨「デジタル・ルーブル」導入へ
プーチン大統領が7月24日に署名した、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入に関する「2023年7月24日連邦法第339-FZ号」が8月1日に施行された。

これを受け、ロシア中央銀行(以下、中銀)は同月3日に「デジタル・ルーブル」の公式ロゴと各種手数料を発表し、15日よりその試験運用を開始した。中銀は2021年にCBDC創設に向けた取り組みを開始、これまでにデジタル・ルーブル口座開設や現金預金のデジタル・ルーブルへの変換、個人間のデジタル・ルーブル建て送金等について試験を実施してきたが、今回の試験運用は実際の運用を想定した消費者参加型実験となる。銀行13行と市民約600人、全国11都市の小売店30店舗が参加し、簡単な自動支払いやQRコードによる支払いといった基本的な操作を確認する。2024年にはデジタル・ルーブルを発行し、CBDCプラットフォームと国内全ての銀行を接続する予定。一般市民がデジタル・ルーブルを利用できるようになるのは2025年から2027年にかけてとなる見込みである。

なお、8月22日から24日にかけて首脳会議を行ったBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)では、米ドル依存からの脱却を目的とした共通通貨構想が存在する。実現は遠いとの見方が一般的だが、実現手段として共通デジタル通貨の導入を挙げる声もある。現在、BRICSのうち、中国、ロシア、ブラジル、インドがCBDCの試験運用を実施している。

また、ロシアが主導するユーラシア経済連合(ロシア、カザフスタン、キルギス、ベラルーシ、アルメニア)でもCBDCに対する関心が高まっており、カザフスタンが「デジタル・テンゲ」、キルギスが「デジタル・ソム」の導入を目指しているところである。