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2023.04

  • アメリカ
  • 電波関連
FCC、NGSO FSSシステム間の周波数共用を認める新規則を採択、公表
2023年4月20日、FCCは、非静止衛星軌道(non-geostationary satellite orbit:NGSO)固定衛星サービス(fixed-satellite service:FSS)システム間での周波数共用を可能とする新たな規則を含む報告と命令等の決定(FCC23-29)を全会一致で採択、4月21日にその決定の全文を公表した。

これは、低地球軌道(Low Earth Orbit:LEO)衛星コンステレーション等の新たな宇宙システム構築への関心が高まっていることを示すもの。

SpaceXは既に3,350基以上の低地球軌道(Low Earth Orbit:LEO)衛星を打ち上げ、既に商用サービスを提供中。また、競合するOneWebは、既に544基の衛星を打ち上げている。また、SpaceXはFCCから打ち上げ認可を1万件以上取得しており、AmazonのProject Kuiperも3,000基以上の衛星を打ち上げる認可を取得している。

近年、衛星産業は記録的なペースで成長している一方で、FCCによると、その規制枠組みはそれに追いついておらず、FCCは、法的な義務を果たしつつ、連邦政府全体の調整を改善し、21世紀の衛星産業を支援するため、自らのリソース配分を見直すことを決定。既存の国際局の機能を再編し、2023年4月11日に新たに宇宙局を立ち上げている。

新規則は、時期が異なる処理ラウンドで免許が交付されたシステム間での周波数共用について明確性を提供し、先に認可されたシステムに対して、一定期間(それ以降の処理ラウンドでの最初の認可(authorization)又は市場アクセスの交付(grant)から10年間)、優先的な周波数アクセスを認める一方、新規参入者に対して、確立された協調的な周波数共用枠組みでの参加を可能とするもの。

FCCは、次世代ブロードバンド衛星コンステレーション間での周波数共用を認めることで、新規参入を促進し、規制の確実性を向上させ、誠実な調整を通じて周波数の効率性を実現することを目指す。

一部の周波数共用手続きは、同一の処理ラウンドで認められたシステムにのみ適用され、それ以降の処理ラウンドで認められるシステムは、既存システムと調整する、あるいは、それを保護することが求められる。

他方、既存システムへの保護が消滅した後は、既存システムと新システムは、調整合意がない限り、同等ベースで周波数を共用することとなり、これまでシステム間での調整が不調に終わる場合に適用されていた周波数分割規則も適用となる。

新規則は、すべての既存のNGSO FSS免許人及び市場アクセス交付人、現在認可待ち及び将来の申請者と請願者に適用される。

また、今回の決定には、異なる処理ラウンドで認められたシステム間での周波数共用向けに規定される手法(劣化スループット手法)で使われる適切な値や仮定について意見を募集する規則制定提案追加告示(Further Notice of Proposed Rulemaking)も含まれる。

FNPRMでは、事後に検討されるNGSO FSSシステムが以前に認められたシステムに与える集合混信(aggregate interference)を制限する規則を採択するかどうかについても検討する。