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2023.04

  • アメリカ
  • ブロードバンド・ICT基盤整備
全米科学財団で6Gに関するワークショップを開催
国家安全保障会議は、4月21日、全米科学財団(NSF)本部で「6G: Open and Resilient by Design」と題されたワークショップを開催した1。ワークショップでは、6Gのビジョン、標準と国際協力、人材育成、周波数と共用等について議論された。

このワークショップの目的は、次世代無線技術標準の研究開発・展開において米国が主導権を握ることを目指したもので、企業、政府、学術界の専門家等に加え、NSFのパンチャナサン長官、ニューバーガー大統領副補佐官(サイバー・新興技術担当)、ローゼンウォーセルFCC委員長、デビッドソン国家電気通信情報庁(NTIA)長官らも出席した。

ニューバーガー副補佐官は、ワークショップ前日の記者会見で、「5Gから学んだ早期の関与とレジリエンスの重要性に関する教訓を生かして6Gへのアプローチを推進したい」とした。

また、別の政府高官は、米国が6Gを主導できなかった場合、中国やその他の敵対勢力が米国の安全保障を損なうことを許してしまうと警告し、中国が6Gのリーダーになれば、監視やネットワーク妨害で有利になる可能性があるとしたほか、6Gの標準策定で中国が協力する意思を見せれば、米国としても協力するのはやぶさかではないが、これまで観察しているところではそれは難しいだろうと述べている。

ローゼンウォーセルFCC委員長は、6Gがどのようなものになるか、誰もまだ正確に分かっていないとした上で、「5Gを展開した経験から何かを学んだとすれば、それは無線政策が経済と国家安全保障にとって重要であるということだ」とした。また、6Gにおける米国の役割を強化する手段の1つとして、FCCの周波数オークション権限を復活させるよう求めた2

デビッドソンNTIA長官は、6Gがもたらす普遍的なコネクティビティは、環境、人、物体を感知する能力を実現し、持続可能性や産業の効率化だけでなく、状況認識の新しい時代がやってくるかもしれないが、独裁国家が市民をさらに監視し、統制することにつながる可能性もあると指摘した。

1https://new.nsf.gov/news/nsf-to-discuss-future-of-6g-technology
2 https://www.fcc.gov/document/chairwoman-rosenworcel-national-science-foundation-6g-event