[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2023.03

  • アメリカ
  • スマート社会
米国著作権局、AI利用作品の著作権を明確にする新ガイダンス発表
米国著作権局(USCO)は、3月15日、人工知能(AI)の支援を受けて作成した芸術作品が著作権の対象となる場合を明確にする新ガイダンスを発表した。

同局は先月、カシュタノバ氏のコミックブック「Zarya of the Dawn」において、画像生成AIシステム「Midjourney」が作成した画像の部分は、著作権保護の対象にはならないと判断。ただし、カシュタノバ氏のテキストと各要素の配置の独自性は保護できるとした。

USCOは、AIを利用した申請作品が著作権保護の対象となるかどうか検討する場合には、AIの貢献がテキストプロンプトへの対応といった「機械的複製の結果」であるのか、それとも作者自身の心的構想を反映しているのかを検討することになるとし、「その結果は、状況、特にAIツールがどのように動作し、最終的な作品の制作にどう使用されたかに依存する」としているが、これは必然的にケースバイケースとなるとも述べている。

USCOは、「現在利用可能な生成AI技術に対するUSCOの理解に基づくと、システムがプロンプトをどのように解釈し、作品を生成するかについて、ユーザが最終的なクリエイティブ上のコントロールを行使しておらず、プロンプトは作品制作を依頼したアーティストへの指示のように機能している」とし、著作権保護の対象になるかどうかは、人間の創造性がどれだけ関わっているかによるとしている。過去には、似た事例として、動物のサルがカメラを用いて偶然撮影した写真の著作権について、保護されないという判断を下している。

USCOは、カシュタノバ氏のコミックブックのように、AIが生成した作品に創造的な修正やアレンジを施したものは著作権保護の対象となり得るとし、同局のポリシーはテクノロジーツールが創造的プロセスの一部にならないことを意味するものではないとしている。また著作権申請者は、作品にAIが作成したものが含まれる場合、その旨を開示する必要があり、現在提出済みの申請書でAIを使っていることを開示していないものは訂正しなければならないとしている。