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2023.01

  • イギリス
  • 郵便・物流
ロイヤルメール、サイバー攻撃を受け国際郵便の差出を一時停止に
2023年1月11日から、英国のロイヤルメールで、海外に手紙や小包を送るためのシステムに深刻な障害が生じ、海外へ郵送できない状況が発生した。同社は、利用者への謝罪とともに、これをサイバー攻撃による「サイバーインシデント」であると発表し、利用者に対し、海外への手紙や小包の投函をやめるよう求めた。また、既に海外向けに差出した郵便物についても、遅延または中断の可能性を通達した。

報道によると、ロイヤルメールは、ロシアを拠点とするハッカー犯罪集団「ロックビット」から身代金要求型の「ランサムウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスの攻撃を受けたとみられ、標的となったのは、主にヒースロー近くの国際配送センターやブリストルの施設など6か所とされる。ヒースロー近くの国際配送センターは、欧州でも最も自動化された郵便センターの1つであり、1日24時間稼働で最大20万個の郵便物を処理することのできる施設。

ロイヤルメールは問題解決に取り組み、国家サイバーセキュリティ・センター(National Cyber Security Center:NCSC)が、国家犯罪対策庁とともに協力し、支援した。

混乱は1週間続き、ロイヤルメールは1月18日、少しずつ国際小包の移送を開始したと発表した。書状についての発送も再開し、19時(グリニッジ標準時)から、差出しを行えるようになったと述べた。

なお、国際到着郵便と内国郵便は、事件の影響を受けていない。

一方、ロイヤルメールでは、昨年秋から、通信労働者組合(CWU)に加入する従業員が、雇用・賃金・労働条件をめぐって散発的にストライキを繰り返しており、内国での郵便配達状況に影響を及ぼしている。ストライキにより、ロイヤルメールは財務的にも苦慮することとなり、2022年12月にドローンを使った小包配達計画(今後3年間に200台のドローンを配置して、英国全土で郵便配達を行う計画)を棚上げした。