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2022.12

  • アメリカ
  • セキュリティ、プライバシー
米国で広がるTikTok規制、安全保障及び未成年保護の観点から
国家安全保障上の懸念から、中国のバイトダンスが運営する短編動画投稿アプリ「TikTok」の利用を規制する動きが相次いでいる。

2020年以降、政府支給端末でのTikTok利用を禁止したり、TikTokを提訴したりした州は少なくとも16州に上る。直近では、バージニア州が12月16日に州政府が管理する端末及び無線ネットワークにおいてTikTokやWeChat(テンセントが運営するメッセンジャーアプリ)を含む中国系アプリを使用することを禁止した。TikTokの利用を規制しているのは、ノースダコタ州、アイオワ州、アラバマ州、ユタ州、テネシー州、オクラホマ州、テキサス州、インディアナ州、メリーランド州、サウスカロライナ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州、フロリダ州、ジョージア州、ニューハンプシャー州、バージニア州といずれも共和党主導の州である。

一方、連邦レベルでは、マルコ・ルビオ上院議員(共和党)、マイク・ギャラガー下院議員(共和党)、ラジャ・クリシュナムルティ下院議員(民主党)の超党派議員グループが12月13日に、米国でTikTokを禁止する「Averting the National Threat of Internet Surveillance, Oppressive Censorship and Influence, and Algorithmic Learning by the Chinese Communist Party(ANTI-SOCIAL CCP)Act」法案を上下院に提出した。同法案は「中国やロシア等、懸念が持たれる国に拠点を置く、あるいはその影響下にあるあらゆるソーシャルメディア企業との全ての取引を禁止することでアメリカ人を保護する」もので、バイトダンスとTikTokを規制対象として明示している。また、翌14日には、ジョシュ・ホーリー上院議員(共和党)が提出した「No TikTok on Government Devices Act」法案が上院にて全会一致で可決された。政府支給端末でのTikTok利用を禁じる同法案が成立するためには、下院での承認とバイデン大統領の署名が必要。ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)は法案を下院で審議する政府予算案に盛り込むことを支持しているが、15日現在、バイデン大統領の意向は不明である。

安全保障のほか、未成年保護の観点からもTikTokへの懸念は高まっている。成人向けコンテンツで溢れているにも拘らずアップルやグーグルのアプリストアでのTikTok対象年齢が13歳以上となっているとして、インディアナ州のトッド・ロキタ州検事総長が12月7日にバイトダンスを提訴したほか、9日には、下院エネルギー・商業委員会に所属する共和党議員グループが、TikTokが児童性的搾取に利用されているとする11月14日付Forbes報道記事について説明するようバイトダンスの周受資CEOに書簡を送付した。また、これに続くように13日には、15州(モンタナ州、アラバマ州、アーカンソー州、フロリダ州、ジョージア州、インディアナ州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシシッピー州、ノースダコタ州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、テキサス州、ユタ州、バージニア州)の検事総長がアップルとグーグルに対し、TikTokの対象年齢引き上げを要請する書簡を送付した。両社がこれに応じない場合、法的措置を講じる可能性がある。