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2022.10

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VerizonがSA 5Gコアでの商用トラフィック移行を開始、AT&Tも一部で既に配備
米国では、T-Mobileが2020年8月、スタンドアロン(SA)5Gコアの600MHz帯ネットワーク全国配備完了を発表。そこから2年以上経過した2022年10月、VerizonとAT&TがそれぞれSA 5Gコアに関する最新の状況を明らかにした。
 
2022年10月13日、Verizonは、商用の顧客トラフィックをクラウドネイティブのコンテナ化設計コアに移行する作業を開始したことを発表。これは、新たなユースケースに必要なネットワーク容量をどこでも拡張できるようにする取組みの一環となる。5Gコアが構築されるVerizon Cloud Platform(VCP)は、電気通信事業者のワークロード向けに特別に設計された高度な技術を持つウェブスケール・ソフトウェア・アーキテクチャをベースとしている。VCPは、エッジサービス、プライベートクラウドサービス、ネットワーク機能仮想化ツール、クラウドネイティブ機能、ウェブアプリケーション、マッピングと空間分析ツール、オーケストレーションツール、サービス保証ツール、自動修復、コンピューティングオファリングをサポートする分散プラットフォームとなる。VCPを使用することで、Verizonの5Gコアは新しいレベルの運用自動化と適応性を実現し、差異化されたカスタマー体験を生み出すことができるようになるという。Verizonの新しい5Gコアは、ネットワークスライスと動的なリソース割り当てに加え、他のメリットも提供する予定で、その中には、①無線アクセスネットワークとコアの仮想コンテナベースのネットワーク機能のリアルタイムなリソース管理、②ネットワークデータの高度な分析によるネットワークパフォーマンスの向上、③Verizonの固定ネットワークとモバイルネットワーク間の最適化されたサービス、④拡張性があり、よりコスト効率の高いアーキテクチャ、⑤ユースケースに合わせてワークロードを移動させることが可能、といったことも含まれている。
 
一方、AT&Tは、2021年6月、同社の5GコアネットワークをMicrosoft Azureに移行し、その関連プラットフォーム技術をMicrosoftに売却する戦略的提携を発表。この取引に関して、AT&Tの技術・ネットワークサービス担当SVP兼ネットワーク最高技術責任者(CTO)のイガル・エルバズ氏は、2022年10月14日、Mobile World LiveのOctober Unwrappedシリーズ最終日の基調講演で、同社はプラットフォームの制御を一切手放していないと主張した。エルバズ氏によると、このプラットフォーム自体はAT&Tが調達したハードウェアでできており、現在もAT&Tのデータセンターや中央局に配備され、AT&Tによって運用が続けられているという。エルバズ氏は、AT&Tは顧客をSAコアに移行するためのプロセスを開始していると発言。同社ネットワークテクノロジー担当のクリス・サンバーEVPも、報道記者に対して、AT&Tは既にSAコアを配備しており、商用顧客トラフィックを伝送中であることを明らかにしている。なお、AT&Tジェレミー・レッグCTOは、2022年10月18日、同社ブログ記事への投稿で、低遅延サービスの提供を可能にするエッジネットワークの展開に向け、ローカルSA 5Gコアを採用する「エッジゾーン(Edge Zone)」を国内10か所で既に稼働させており、年内にさらに2か所を追加する計画を明らかにした。同紙によると、2023年以降には、さらに多くのエッジゾーンが稼働する予定という。AT&Tは、エッジゾーンの展開の少なくとも一部でMicrosoftと提携していると見られている。
 
これにより、全国事業者3社すべてが商用SA 5Gコア運用を開始したこととなる。2022年5月から5Gポストペイドサービスを提供しているDISH Networkも、同社SA 5GコアをAmazon Web Services(AWS)上で構築している。