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欧州電子通信規制者団体（BEREC）は、７月４日、欧州通信事業者が実施しているウクライナ難民支援に関する報告書「Monitoring of measures in relation to the war in Ukraine」を発表した¹。加盟国の規制機関が移動体通信事業114社、固定通信業76社から収集した情報をBERECがまとめたもの。

ウクライナ難民への支援は、ロシアによる侵攻後、各事業者が個別に実施してきたが、本年4月に、EUの71通信事業者（移動体通信52社、固定通信19社）とウクライナの3通信事業者が、国際通信の着信料金及び国際ローミング料金を値下げし、その利益をウクライナ人のエンドユーザーに還元する共同協力声明に署名しており、欧州事業者によるウクライナ難民支援が積極的に展開されている ^２。BEREC報告書の主な内容は以下の通り。

＊移動体通信：欧州80事業者が、ウクライナへの国際無料通話を提供、44事業者が低料金及び無料の通話サービスを提供。
＊固定通信：欧州37事業者がウクライナへの無料通話サービスを提供、27事業者が低料金及び無料の通話サービスを提供。
＊国際ローミング料金：欧州55事業者が、ウクライナ国内を移動する自社ユーザーの国際ローミング料金を無料化。
＊無料Wi-Fi：欧州の25移動体事業者、13固定事業者が、ウクライナ人の難民キャンプや難民が到着する交通拠点において約2,000か所の無料のWi-Fiスポットを設置。
＊SIM配布：欧州70事業者が、ウクライナ難民に対し250万枚のSIＭカードを配布。
＊ウクライナ事業者；通信事業者3社がEUへの通話について、無料サービス又は低料金のサービスを提供。EU域内にいる自社ユーザーに対し国際ローミング料金を無料化。

¹https://www.berec.europa.eu/system/files/2022-07/BoR%20%2822%29%2095%20BEREC%20Analysis%20Monitoring%20of%20measures%20in%20relation%20to%20the%20war%20in%20Ukraine.pdf
²Joint Statement EU UA operators on connectivity in support of refugees from Ukraine（https://ec.europa.eu/newsroom/dae/redirection/document/85950）