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2022.06

  • 韓国
  • モバイル
世界初の5G開始から3年経っても使いこなせない28GHz帯
2019年春の世界初の5G開始から3年が経った韓国では、2022年4月末基準の5G契約者数は国内人口5,000万の約半数に迫る2,347万と普及率では世界一。5Gで利用される周波数帯は3.5GHz/28GHz帯だが一般サービス向けに活用される周波数帯は3.5GHz帯のみ。移動通信サービスで初めて利用されるミリ波帯の28GHz帯は当面産業用途での活用に限定されているが、これまでの活用ケースの大半が単発の実証事業で終わっている。28GHz帯の実質的活用となる唯一のケースが、昨年から整備を進めるソウル地下鉄のWi-FiバックボーンのLTEからの置き換え事業という状況。だが、28GHz帯の有効な活用事例は世界的にもまだ確立されていないため、ソウル地下鉄のWi-Fiバックボーンが初の有効な事例となればソリューションと基地局の世界展開のチャンスでもある。
 
昨年に急に導入された感のある、4.7GHz帯/28GHz帯をモバイルキャリア以外の施設者・事業者等に開放する韓国版ローカル5Gの「5G特化網」制度も28GHz帯有効活用対策である。昨年10月以降随時で申請を受け付けてからこれまでに3社が免許を取得し、いずれも4.7GHz帯/28GHz帯の両方の周波数を割り当てられた。これらの事業者は5G特化網を自律走行ロボットやスマート工場に活用する予定で準備を進めているところだが、28GHz帯活用が定着するかは未知数でもある。
 
このように現時点では28GHz帯活用のビジネスモデルが存在しない状況であり、通信キャリア3社(SKテレコム、KT、LG U+)による28GHz帯インフラ整備の投資はまったく進まない。2023年は、2018年に割り当てられた28GHz帯の有効期限を迎えることもあり、28GHz帯関連政策の柔軟対応による見直しを求める声が大きくなっている。