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2022.03

  • アメリカ
  • 電波関連
FCC、3GHz帯以下のミッドバンドで最大となる連続した帯域幅を単独で提供する2.5GHz帯オークションを7月29日から開始へ
2022年3月21日、FCCは、7月29日より新たなミッドバンド5Gサービス向けに2.5GHz帯(2496-2690MHz)周波数免許オークション(オークション108)を開始することを発表した。

オークションは、昇降性クロック方式で行われ、柔軟に利用できる郡単位の地理的なオーバーレイ免許を新たに約8,000件提供、各郡で最大三つのカテゴリの周波数チャンネルブロック(計117.5メガヘルツ幅)が提供される(「クロック-1」オークション方式(割当フェーズなし))。

オークション形式を巡っては、T-MobileやVerizonが、同時複数ラウンド(SMR)方式のオークションを支持していたのに対し、SMR方式では全ての免許に対する入札が終了するまで入札が認められるため、他者の入札行動に応じて入札することが可能であることから、既に2.5GHz帯の過半数を保有するT-Mobileに有利になるとして、DishやAT&T、そして、主にルーラル地域の小規模事業者がメンバーとなる無線ISP協会(WISPA)等はSMR方式に反対、単一ラウンド方式のオークションを支持していた。

FCCによると、新たな免許は、2.5GHz帯周波数が割り当てられていない地域、主にルーラル地域をカバーするもので、FCCは、このオークションがルーラル地域での深刻な5G格差を埋める一助になると位置付けている。

今回のオークションの対象となるのは、教育ブロードバンド・サービス(EBS)で主に使われている帯域。

この帯域は従来、教育放送用途とされ、大学、高校、教会等の多様な主体に割り当てられているが、EBS免許人は余剰容量を非教育機関にリースすることが認められていたため、Sprint(現在はT-Mobile)はこのリース契約を通じて全国の2.5GHz帯免許の過半数を利用する一方、同帯域の残りの免許はほとんど利用されていないという(FCCによると、2019年7月11日時点で、EBS免許は教育機関等1,300者が2,193件の免許を保有、他方で有効なリース合意は2,087件となっており、既存免許の大半がリースされている)。

既存のEBS免許は、すべての地域ですべてのチャンネルを使用している訳ではなく、どのチャンネルでも米国の地理的エリアの約半分しかカバーしておらず、とくにルーラル地域で大量の未割当チャンネルが存在することがかねてから問題視されていた。

FCCは、今回、こうした未割当帯域を活用するため、用途制限を撤廃し、チャンネル割当を見直し、地理的なオーバーレイ免許の枠組みを構築することで、既存EBS免許人の運用を保護しつつ、ルーラル地域での5Gネットワーク構築を目指している。

FCCは、今回の発表に先立ち、手続き案に対する複数のパブリックコメントを募集し、初のオーバーレイ・オークションの手続きを決定するにあたり、初めての試みである部族優先期間の円滑な完了、免許のインベントリといった多くの複雑な問題に対応したとしている。

FCCは、2.5GHz帯の再編、改革にあたり、2019年に2.5GHz帯ルーラル部族優先枠を創設し、適格要件を満たす部族主体がルーラル部族地域のデジタルデバイドを解消するため、ブロードバンドなどの次世代ワイヤレス・サービスを展開できるようミッドバンド周波数へのアクセス機会を提供、申請する部族主体には、2.5GHz帯で未割当の周波数最大117.5メガヘルツ幅の排他的使用が認められる免許を交付。

FCCは、2020年2月3日から9月2日までの申請期間中に提出された申請書を審査した結果、既に部族または部族が管理する団体に355件の免許を交付済み。