[HTML]
H1

詳細ページ

お知らせ表示

2022.01

  • アメリカ
  • モバイル
ベライゾンとAT&T、待望のCバンド5G運用を開始してT-モバイル追撃へ
2022年1月19日、ベライゾンは、ミッドバンドのCバンド(3.7-3.98GHz)での5G運用を開始した。

ベライゾンが運用を開始したのは、2021年12月に主要都市で早期に開放されたAブロック(3.7-3.8GHz)の60メガヘルツ幅。

2021年2月に完了したCブロック免許オークション(オークション107)は、落札総額が811億ドル超と史上最大規模となっており、そのうちベライゾンは450億ドル超を投入して米国本土の全市場で140-200メガヘルツ幅の免許を獲得、最大の落札者となっていた。ベライゾンは、このAブロック免許を手に入れるため合計80億ドル以上の明け渡しインセンティブ費用を別途支払っている。

ベライゾンによると、Cバンド5G運用開始時点で既に人口9,000万以上をカバー。開始1週間で9500万以上をカバーしており、2022-23年に1億7,500万、2024年以降2億5,000万以上のカバーを見込んでいる。

他方、AT&Tも同日、8都市(ダラス・フォートワース、ヒューストン、オースティン、シカゴ、デトロイト、ジャクソンビル、オーランド、マイアミ)でCバンド5G運用を開始、こちらはスモールスタートとなっている。

AT&Tは、オークション107で234億ドル(早期明け渡しインセンティブ費用を含めると274億ドル)を支払い、80メガヘルツ幅(早期に開放されるAブロック40メガヘルツ幅を含む)を獲得、2023年末までに人口2億カバーを見込んでいる。

AT&Tによると、既に同社は、Cバンド5Gに対応する端末を17機種販売しており、この中には、人気の高いAppleのiPhoneやSamsungのGalaxy、GoogleのPixel端末が含まれている。

両社がここまで大きな投資をしてミッドバンド5Gにこだわるのは、競合するT-Mobileが、既に600MHz帯と2.5GHz帯で全国5G運用を開始しており、提供する5Gサービスの品質では、ベライゾンやAT&Tよりも先行していると見られているため。

このギャップを埋めるため、両社はCバンド5G運用を早々に開始する必要に迫られていたが、2021年に入り、Cバンド5G運用が航空高度計の運用に干渉するという懸念が顕在化し、両社と連邦航空局(FAA)や航空業界が激しく対立する事態となった。このため両社は、数次にわたってその開始の延期を余儀なくされ、最終的には、政権も関与する形で、主要空港周辺に緩衝地帯を設け、一定期間はCバンド5G基地局の運用を行わない、または、その出力を制限するという形で1月19日の運用開始にこぎつけた経緯がある。