2021.08
SpaceXのStarlink事業、打ち上げた衛星は1,740基、14か国でベータサービスを提供しユーザー数は10万を突破
SpaceXによると、これまで打ち上げられたStarlink衛星は1,740基、14か国でベータサービスを提供しており、そのユーザー数は10万人を突破。また、来年には次世代衛星の打ち上げを開始する計画も進めている。
2021年8月23日、SpaceXのイーロン・マスクCEOは、一連のツイートで、これまで10万台のユーザー端末を出荷しており、14か国でベータサービスを提供、他の地域でも免許申請中であることを明らかにした。
同社は7月終わり、ベータサービスのユーザーは9万人としており、ここ3週間で1万人追加したこととなる。
マスクCEOは、2021年6月29日、スペインのバルセロナで開催された「モバイルワールドコングレス2021(MWC21 Barcelona)」の基調講演でも、同社衛星ブロードバンド事業「Starlink」の現状と展望について語っており、その中で、同社ベータサービスの申込件数は5月に50万を突破、今後12か月のユーザー数は50万以上を見込んでいるとしていた。
2020年10月から米国で開始されたパブリックベータ・サービスは、月額99ドルで提供されており、初期費用としてユーザー端末を499ドルで購入する必要がある。ユーザー端末には、アンテナ、Wi-Fiルータ、電源ユニット、ケーブル類、アンテナ備え付け用の三脚が含まれる。
マスクCEOは、MWC21 Barcelonaの基調講演で、「このサービスは光ファイバー、5Gを補完するもので、通信事業者にとってはコスト効率の高いデータバックホールになり得る」とし、Starlinkのレイテンシは光ファイバーや5Gと同等であり、最終的に20ミリ秒以下にすることを目指しているとした。
2021年8月4日、Speedtestは、世界各国の2021年第2四半期における衛星インターネットの速度調査を発表。それによると、Starlinkのレイテンシは、固定ブロードバンドの平均となる14ミリ秒と遜色のない45ミリ秒を記録。また、Starlinkの下り速度中央値は97.23Mbpsとなり、第1四半期の65.72Mbpsから大幅に向上。上り速度中央値は13.89Mbpsで、同13.77Mbpsから向上している(固定ブロードバンドは2021年第2四半期で17.18Mbps、第1四半期の15.99Mbpsから向上。)。
SpaceXは、2022年には次世代衛星の打ち上げを開始する計画で、FCCが8月2日付けで公開した7月29日に行われた国際局スタッフとの電話会議記録によると、次世代衛星群は、より高速、より低遅延、より多くの顧客にサービスを提供可能で、さらなるバックホール容量を提供。2万9,988基の次世代衛星群を高度340-614kmの軌道に配置する計画で、ユーザーリンクはKu帯とKa帯を使い、ゲートウェイリンクにはKa帯とE帯を使用する意向を示している。
同社はこれまで1,740基のStarlink衛星を打ち上げており、マスクCEOによると、衛星ブロードバンド事業への投資総額は200-300億ドルとなる見込みで、キャッシュフローがプラスになるまでに必要な投資額は50-100億ドルを見込んでいる。
SpaceXは、2020年11月25日に終了した総額160億ドルを割り当てるFCCのルーラルデジタル機会基金(RDOF)からの補助金交付第1段階で、35州64万2,925か所を対象地域とする合計8億8,550万ドルを獲得している。