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2021.08

  • アメリカ
  • ブロードバンド・ICT基盤整備
一部州でも広がるデジタルデバイド解消、ユニバーサル・ブロードバンド実現の取組み
カリフォルニア州、バージニア州、ミズーリ州、メリーランド州といった一部州では、独自に、あるいは連邦政府から交付される補助金と合わせて、デジタルデバイドの解消、ユニバーサル・ブロードバンド実現のため、州内でブロードバンド・インフラ構築を支援する取組みが進められている。
 
2021年7月20日、カリフォルニア州ギャビン・ニューサム知事は、超党派の支持を受けて可決された予算法案に署名、この中には、総額60億ドル規模のブロードバンド構築を支援する規定が盛り込まれている。
 
これは、州全域にブロードバンド・インフラを拡大することを目的としており、ラストマイル及びオープン・アクセスのミドルマイル・ネットワーク構築を支援することで、競争の不在により高額となっているブロードバンド料金を引き下げる効果が期待されている。
 
60億ドルの内訳は次のとおり。
 
・32億5,000万ドルを投資して、州が所有するオープン・アクセスを確保する「ミドルマイル」光ファイバー・インフラを構築(ミドルマイルとは、インターネットバックボーンと、通信事業者が各家庭に提供するラストマイルを接続するネットワーク・インフラを指し、ここでは、公営、民間双方の通信事業者が同等に接続できる「オープン・アクセス」を確保する)
 
・20億ドルを投資して、「ラストマイル」接続を確保(ルーラル地域向け10億ドル、都市部向け10億ドル)
 
・7億5,000万ドルについては、地方自治体と非営利団体によるブロードバンド・プロジェクトの資金を支援する融資基金のために確保
 
また、2021年7月16日、バージニア州ラルフ・ノーサム知事は、先に成立した1兆9,000億ドル規模の新型コロナウイルス対策法「American Rescue Plan Act(ARPA)」で割り当てられた補助金から7億ドルを費やし、州のサービス不十分地域のブロードバンド構築を加速する計画を公表。
 
ノーサム知事は、州のデジタルデバイドを解消し、インターネット・サービスを、一部の人向けの贅沢品ではなく、すべての人にとって不可欠な公益事業である、21世紀の必需品として扱う時が来たとしている。
 
バージニア州は、全体でおよそ23万3,500世帯及び企業が、FCCがブロードバンドのサービス提供が不十分とみなす地点に該当し、これらの地点では下り25Mbpsの速度を達成できるインターネット接続が存在しない。
 
同州は、今回の追加資金により、これら地点をより高速インターネットに接続できるようになる目標を、当初の2028年から、2024年末に前倒しできることを見込んでおり、さらに、これらの接続の大半は、今後18か月以内に完了する予定。
 
ARPAは、州政府と地方自治体がそれぞれの地域社会のデジタルデバイドに対処するブロードバンド計画にも資金提供が可能な「コロナウイルス州・地方財政復興基金」プログラムに3500億ドルを割り当てており、バージニア州は、ARPAから43億ドルの資金提供を受けている。
 
このARRAからの資金をブロードバンド支援に使う州は他にもあり、2021年8月19日、ミズーリ州マイケル・パーソン知事は、総額4億ドルを投資して州内ブロードバンド・インフラを改善する取組みを発表。ARRAからの連邦資金およそ27億ドルの一部を使って、州内のブロードバンド・インターネットへのアクセス、普及、アシスタンスを増加する計画。この計画は、さまざまなブロードバンド・コネクティビティの課題解決に取り組む複数機関によって開発されたもので、2022年1月に州議会下院での予算案として提示される予定となっている。
 
また、2021年8月20日、メリーランド州ラリー・ホーガン知事は、デジタルデバイド解消のため2025年までに州内でユニバーサル・ブロードバンドを配備する総額4億ドルの取組み「Connect Maryland」を発表。ARRAからの連邦資金3億ドルを使うブロードバンド投資に加えて、デジタルデバイド解消のためさらに1億ドル投資を約束している。新たに開始される「メリーランド緊急ブロードバンド給付助成プログラム」は、低・中所得世帯の負担を軽減するもので、連邦緊急ブロードバンド給付(EBB)プログラム参加世帯が対象となり、連邦からの支援月最大50ドルに加えて、月15ドルを12か月間上乗せする。