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2021.05
エチオピア財務省及び電気通信局は、5月22日、エチオピアにおける5Gネットワーク構築の免許を、住友商事と英ボーダフォングループなどの企業連合体グローバル・パートナーシップ・フォー・エチオピアに与えることを発表した(注1)。
なお、アフリカで二番目に多い人口1億1,200万以上を抱えるエチオピアでは、国営のエチオテレコムが固定電話や携帯などの通信事業を独占してきたが、同国政府は2019年、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)の支援を受けて、エチオテレコムの一部民営化と携帯市場の自由化を決めた。
このグローバル・パートナーシップ・フォー・エチオピアは、ボーダフォン、ケニア最大の通信会社のサファリコム、南アフリカ最大の通信会社のボーダコム、住友商事、英CDCグループ(旧英連邦開発公社)、米国国際開発金融公社(DFC)からなる電気通信事業者コンソーシアム(注2)。なお、サファリコムとボーダコムはそれぞれの設立初期から出資を受けており、ボーダフォンとは関係の深い会社。また、サファリコムはMペサというモバイル決済システムで、アフリカ最大のモバイル決済システムとアフリカ最大のフィンテック企業となっている(注3)。
基地局整備などの設備投資や運営費といった事業総額は10年間で80億ドルを超え、同コンソーシアムに、DFCから最大5億ドルの低金利の融資を受けることになっているが、資金をファーウェイ、ZTEの通信機器購入には使わないことが条件となっている。
今回の通信ライセンス・オークションには南アフリカのMTNグループも参加しており、同社はファーウェイ、ZTEの長年の顧客で、中国開発銀行や中国輸出入銀行が出資する中国の「シルクロードファンド」と共同で入札していたことから、このオークションは米中代理戦争的側面を持ち、地政学的にも重要な意味があった。
(注1) https://eca.et/wp-content/uploads/2021/05/Press-Release-New-Telecom-License.pdf (注2) https://www.vodafone.com/news/press-release/global-partnership-ethiopia-welcomes-licence-award-operate-telecom-services-ethiopia (注3) https://www.safaricom.co.ke/m-pesa
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