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2021.01

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トランプ氏SNSアカウント凍結、国内外で批判の声
トランプ氏を支持する暴徒が連邦議事堂を占拠したことを受け、大手SNSが同氏のアカウントを凍結するという前例のない厳しい措置を講じている。インスタグラム(フェイスブック傘下)とツイッターは1月6日にアカウントを一時凍結後、翌日及び翌々日にそれぞれ凍結を無期限延長することを発表。SnapchatやTwitchもこれに追随した。また、YouTubeやTikTokはトランプ氏が投稿した動画を削除、EコマースサービスのShopifyや電子決済サービスのStripeはトランプ陣営へのサービスを停止、ニュース記事や画像・文章等へのコメント投稿サイトであるReddiもトランプ氏に関連するフォーラムを停止した。更に、トランプ氏支持者に人気がある保守系SNSのParlerはグーグル及びアップルのアプリストアから削除されたほか、アマゾンのホスティングサービスを利用できなくなった。

共和党議員らはこのような一連の動きは「行き過ぎた措置」や「検閲」に当たるとして批判しているが、民主党からは、暴動はトランプ氏がSNSを利用して宣伝や偽情報を広めたことで引き起こされたとして、SNS企業はより早期に対処すべきだったとする声が上がっている。専門家は、憲法修正第1条が禁止するのは政府による検閲であり、民間企業による決定には適用されないため、今回のSNS企業の対応は合法であるとしているが、今後議論となる可能性がある。

今回の問題は海外にも飛び火した。ドイツのメルケル首相は、広報官を通じ、ツイッターによるアカウント停止を批判。民間企業ではなく国会議員が表現の自由の潜在的な抑制を決定すべきだと警告した。英国のハンコック保健相は、トランプ大統領のアカウント凍結は大手SNSが編集上の判断を下したことを示すもので、SNS規制に大きな影響を及ぼすとコメント。EUのブルトン域内市場担当委員は、「企業が抑制と均衡の制度なく大統領のアカウントを凍結したことは理解しがたく、この行為はプラットフォームが持つ力を改めて確認させるとともに、我々の社会がデジタルスペース上で構築される上での大きな弱点も示している」と語った。メキシコのオブラドール大統領は、SNS企業の行為は「検閲」にあたるとして厳しく批判。代替SNSとしてロシア発のTelegramを紹介したほか、G20サミットにおいてSNS企業による検閲の是非について声明を出す意向であることを表明した。

なお、フェイスブックは1月21日、無期限凍結しているトランプ氏のアカウントの今後について、2020年10月に新設した独立監督委員会の判断に委ねることを発表した。委員会の決定は最終的なもので、マーク・ザッカーバーグCEOやその他の経営幹部が覆すことはできない。一方、ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、アカウント停止が「異常で受け入れがたい状況」を生み出したとのコメントを発表している。アカウント凍結後の翌営業日、ツイッターの株価は最大12%下落、フェイスブックは終値で3%下落した。