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2020.11

  • EU
  • セキュリティ、プライバシー
欧州委員会とEU理事会、「欧州ヘルスデータ・スペース」プログラムへの取組みで合意
欧州委員会とEU理事会は、2020年11月12日、欧州における医療分野のデータ政策に関する今後の方針を検討するハイレベル会合を開催し、同分野におけるデータセキュリティとユーザー優先のデジタルサービスの開発について協力関係を構築することで合意した。この合意により、健康危機から欧州市民を保護する「欧州ヘルスユニオン」プログラムと、今年2月に欧州委員会が採択した「データ戦略」のうち医療データ関連事項を統合した「欧州ヘルスデータ・スペース」プログラムの早期実現を目指すこととなった1

「欧州ヘルスデータ・スペース」プログラムは、異なるタイプの医療データ(電子カルテ、ゲノミクス(ゲノム・遺伝子研究)データ、患者経歴データ等)の分野横断的な交換と研究開発へのデータ利用を推進するプログラムであり、欧州委員会は2019-2025年の期間でこれを実現する計画である。ただし、医療データの共有については、個人情報・プライバシー保護などの問題から、欧州全体のコンセンサスが必要であり、今回、EU理事会の合意を得たことで、同プロジェクトは実質的な前進をみることとなった。

同プログラムの第1段階として、2021年に次の施策が実施される。

• 欧州委員会は、2021年中に「欧州ヘルスデータ・スペース」における施策を提案する。

• 加盟国と共同で、EU域内のヘルスデータついてのガバナンス、インフラストラクチャー、データ品質、データ連携、データの2次利用に関する市民の権利に関す施策を講じる。

• EU4Healthプログラムによる支援投資及びホライゾンプログラムとデジタル・ヨーロッパ政策でのデータ共有とデジタルヘルスへの投資を実施する。

• ヘルスデータの2次利用に関する実施コードを策定する
 
• ヘルスケアの向上、規制、イノベーションに関する汎欧州フィージビリティ分析のためのパイロットプロジェクトを実施する。

• 復興レジリエンスファシリティ、欧州地域開発基金、欧州社会基金、インベストEUなどの支援プログラムにおけるヘルス分野のデジタルトランスフォーメーションへの投資機会を検討する。


 1https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_20_2049