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2020.10

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OECD、デジタル課税の年内合意を断念
デジタル経済に対応する新しい国際課税規則の策定で議論を主導する経済協力開発機構(OECD)は10月12日、交渉の進捗に関する報告書を発表し、目標としていた2020年内の最終合意を断念して、目標時期を2020年半ばに延期することを明らかにした。デジタル課税の対象業種が具体化するなど交渉では一定の進捗も見られたが、巨大テック企業を抱える米国とデジタル課税を強化したい欧州の対立や、新型コロナウイルス感染拡大に伴う協議の遅れが影響したという。

OECDは、交渉が合意すれば世界全体の法人税収が最大年1,000億ドル(約10兆5,000億円)増加するが、合意できずに貿易摩擦が激化すれば世界の成長率が1%以上押し下げられると試算している。

なお、報告書は14日に開催された20か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)で承認されたが、フランスのルメール経済・財務・復興大臣はOECDでの交渉が難航するようであれば、EU域内でのデジタル課税計画を推進すべきとの見解を示した。また、18日には、公共放送フランス3のインタビューで、凍結していた自国独自の徴税を12月に再開することを明らかにした。フランスは昨年、国際合意までの代替策として独自の課税規則を導入したが、米国はこれに対する報復措置を検討。両政府は今年1月、最終合意締結の目標時期であった2020年内を一つの区切りとし、フランスが年末まで独自課税を凍結する代わりに、米国は報復関税を発動しないことで合意していた。