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2020.10

  • アメリカ
  • ブロードバンド・ICT基盤整備
ホワイトハウス、重要新興技術に関する国家戦略を発表
ホワイトハウスは10月15日、通信・ネットワーキング技術や量子情報科学(QIS)、人工知能(AI)などの新興技術における米国の優位性を維持するため、「重要な新興技術(C&ET)に関する国家戦略」を発表した。C&ETの具体的分野として挙げられているのは、通信、量子、AIの他、先進的コンピューティング、先進的センシング、自律システム、データサイエンス、ヒューマンマシンインタフェース、半導体、宇宙技術など20の技術である。

国家戦略は、イノベーションを阻害するような国主導のモデルではなく、市場主導のアプローチを推進することが明言した上で、中国やロシアによる不公平な競争から米国を守ることを目指している。具体的には、米国が同盟国等と連携してC&ETにおける世界的リーダーシップの維持を達成するための要素として次の三つを掲げている。

*米国が優先順に3段階に分類したC&ETのうち、最重要な分野における技術リーダーであること
*米国が同盟国等と連携してC&ETの研究ピアとして貢献すること
*C&ETにおけるリスク管理をすること

また、同戦略は、米国がC&ETにおける世界的リーダーであるための二つの柱を挙げている。第1の柱は「国家安全保障の革新基盤を促進すること」。連邦政府の優先的研究開発予算の増額、高度で質の高い研究開発を維持するための労働力開発、政府機関による新興技術の使用増加などの13の行動を奨励する。第2の柱は「技術の優位性を保護すること」。敵対国が米国等のイノベーションから利益を得ることを防止するために、知的財産の盗難に対する国際規範の作成と支援、研究開発におけるセキュリティ強化、敵国への特定技術の輸出制限などの9の行動を奨励する。

国家戦略の発表にあたり、大統領報道官は「米国は、技術を盗み、企業に知的財産の譲渡を強制し、自由で公正な市場を損なわせ、新興民間技術を密かに変換して軍隊を構築する、中国やロシアなどの国からの攻撃に目をつぶることはない」と述べ、同盟国や同志国等と協力してこれに対処するとした。

なお、これとは別に、科学技術政策局(OSTP)は10月15日、「米国の研究機関のセキュリティと研究公正の強化」と題する報告書を発表した。研究データの窃用や不実記載に基づく連邦政府の研究資金受給、外国政府が資金提供する招聘プログラムのリスクなど複数の事例を挙げながら、中国政府などが米国の研究機関における研究公正を犯して、研究の安全性にリスクをもたらしていると警鐘を鳴らした。