ドイツテレコムは、10月7日、FTTHを含む光ファイバー網をテレフォニカO2に卸売販売する契約を締結したことを発表した。両社にとって、競合事業者との間でFTTHを使用する長期契約を締結するのは初めてのこと。
両者の間では、これまでもブロードバンド回線の卸売契約が交わされてきた。例えば、テレフォニカは、2013年にドイツのテレコムのVDSL回線の購入契約を締結し、自社ブランドでブロードバンドサービスを提供している。今回の契約は、卸売サービスの範囲をFTTHまで拡大するもので、テレフォニカは1Gbpsのサービスを来年1月より提供することができるとしている。両社の契約期間は10年間である。
ドイツテレコムは、このような競合事業者への自社ネットワークの開放を積極的に進めたいとの意向を示している。同社は、現在180万世帯を光ファイバー回線で接続しているが、来年から光ファイバー網の拡張に大規模な投資を行う計画を進めており、テレフォニカとの契約により、投資資金を長期にわたって確保したいと述べている。ドイツテレコムは、今回のような大手事業者間の自発的な協力が、ドイツ国内のブロードバンド・インフラ整備の追い風となると述べており、他の通信事業者の間でもブロードバンドネットワークのオープン化を進めたいとしている。
連邦ネットワーク庁(BNetzA)も、事業者間で自発的にネットワーク共有が進むことが望ましく、多くの事業者にオープンアクセスの考えが受け入れられる契機になることを期待すると、ドイツテレコムとテレフォニカO2の契約を歓迎する意向を示している
1。
1https://www.bundesnetzagentur.de/SharedDocs/Pressemitteilungen/EN/2020/20201007_TelekomTelefonica.html?nn=404530